2018.10.15

≪連載(103回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(10月15日~10月19日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 今回の大暴落の名前は、「米国債利回りショック」と呼ばれるのだろうか?
 先週末の日経平均株価の終値は22,685円と、1週間で-1097円もの大暴落となった。土曜の朝の日経平均株価指数先物を確認すると、22,570円と小安く戻ってきている。ただ、引けにかけてNYダウは強含んで終わり、週明け月曜日はいまのところ大丈夫だとみている。
 筆者の取引を振り返ると、下落のスタートとなった10日(水)夜は、前日から急騰した米国債利回りがNYダウの暴落を招かないか気が気ではない思いで、寄付きから深夜2時まで値動きを追い、情報収集に勤しんでいた。その感想としては、一方的な急落局面があったかといえばそうではなく、ジリジリ下がり続けるNYダウ(冒頭写真)に、時折大きな買い玉が入り戻るものの、その後もジリ下げが止まらず、気がつけば-831ドルの大暴落になった、というものだ。筆者は値動きを追っていたものの、ヘッジのために「日経平均先物」を売ることができなかったのは、結果論からいえば大きな失敗であったが、こんなに大きな暴落となるとは露ほども感じなかったのである。これが1つ目の失敗…。なんのために先物取引をやっているのか? その後、自問自答するはめとなったが、それぐらい暴落の気配を感じなかったのは事実。しっかりこの経験を生かしてレベルアップをして読者諸兄に還元していく所存である―――。
 この筆者の心理背景には、10日(水)の日経平均株価が底入れしたかのような堅調さであったことが挙げられる。それは、それまで米国「ハイイールド(ジャンク債)」に波乱の様子がなく堅調だったこと、VIX指数はジリ高だったものの、急騰しなかったことなどを踏まえ、よりによって暴落前日の10日(水)に「国際のETFVIX(1552)」と「日経ダブルインバース(1357)」を清算してしまったことがあるだろう。これが2つ目の失敗。はっきり申し上げて、これは大きな失敗トレードであった。VIX指数に関しては、値下がりが急な性質を持つために、清算してリカクがしたくてたまらない衝動に襲われてしまった。へッジポジションなのにもかかわらず…。また告白すると10日に「コマツ(6301)」を買ってしまい、11日の寄りでぶん投げてしまった…。これが3つ目の失敗。
 今回の暴落を検証すると、まず日本市場の動きは、米国の動きにあまり作用しないことがわかる。海外勢が売買代金の7割を越え、市場規模も大きいことからそれなりに意味のある動き方をすると考えてきたが、昨年2月の大暴落時も含め、日本発の大暴落というものは経験したことがない。重要なのは「VIX指数」であるようだ。これが20%以上の数値になると、リスク・パリティ型のファンドの機械的なアルゴリズム売りが入り、下げが加速するという流れが発生し、おそらくは今回も呑み込まれたのだろう。今後も、VIX指数が平常と不安が交差するラインである、「20%」を上回るかどうか!?は極めて重要であると考えたい。簡単にこのファンドの概要を紹介すると、「近年最も成功したファンドとされるリスク・パリティ・ファンドは、システム(アルゴリズム)系のプレーヤーで、各アセットのボラティリティーを均等化(パリティ)する戦略をとる。高リスク資産は相対的に低いウエート、低リスク資産は高いウエートに調整。相場急変時の損失を最小化する」とある。リスク・パリティやCTAなど最近の市場を席巻しているアルゴリズム系プレーヤーは、トレンドフォロー型が多い。相場がいったん下方向に進むとなかなか止まらないのはそのためだ。前回2月の暴落時を振り返ると、NYダウは2月2日に▲666ドル → ▲1175ドル →+567ドル →▲19ドル ときた後に2月8日にダメ押しの▲1033ドルがやってきた。大きく反発できなければ2発目がくるゾ! ということだろう。来週の相場に向けて頭に入れておきたい。
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2018.10.10

≪連載(102回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(10月9日~10月12日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週金曜日の日経平均株価の終値は23,782円と、-338円もの下落となった。土曜の朝に日経平均先物を確認すると、下値23,550円があっての23,650円で戻ってきている。
 ※8日(月)PM20:00現在、日経平均先物CFDはイタリア財政不安が再熱したことで23,540円まで小安くなっている。
 先週筆者は、週明け月曜日の寄り付きで「コマツ」「SUMCO」などの景気敏感株をがっつり購入すると、日経平均株価は上髭連発を繰り返す展開ながらも持ちこたえ、前述2銘柄は好調推移のまま水曜日を迎えた。この段階では「先週まで3週連続で+1873円もの大暴騰をしていたからこその健全なもみ合いで、いずれ上離れるはず」と考えていた。ただ、その流れは水曜日夜に「米国9月ISM非製造業景況指数」と「ADP雇用統計」が発表されるやいなや暗雲が漂う……。米国の長期金利が上がり始め、木曜日には警戒水域としていた3.15%を上抜けた(3.18%まで上昇)ことから、金曜日の寄りで「村田製作所」「コマツ」「SUMCO」の3銘柄の成り行き処分を決断し、ほんの少しの小遣いを稼ぎ、返す刀でまだ上昇していなかった「国際のETFVIX(1552)」と「日経ダブルインバース(1357)」を総資産の半分まで買い建てし、資産のヘッジポジションをとった。
 ここまではいま考えても賢明な判断だっただろう。ただ……この結果、資産の空売り配分が増えすぎたことで「儲けそこなってしまう……」、の買いバイアスがかかり、あろうことか金曜日の夜、下げ続けるNYダウを横目に「日経平均先物12月限」を、買いで4回もエントリーしてしまうはめに(※すべて損きり)陥った。相場見通しに強気バイアスがかかりすぎていたための愚考であり、週末を迎えて反省しきりである。
 さて、今週の相場はどうなるか!? さっそくストラテジーへと移りたい。
 いま、一番気になっているのは、米国国債利回りのさらなる急上昇ではない! というのも直近10月2日発表の「米国債券10年物」の投機筋のポジションは▲740,192枚の売り越しで、過去最高圏内であることから、ここから国債利回りの急上昇は極端に起こりづらいといえるのだ。そして国債の利回り上昇自体も、先週の長期金利上昇は、長期金利>短期金利の図式であり、後から振り返れば、自然な金利上昇だったと評価される可能性が高い。確かに、このタイミングで上昇するとは!? という意外感があったこと、そして国債利回りの上昇自体が、相対的な株式の魅力を削ぐことを考慮すればマイナスイメージは避けられないが、いまのところ「3.5%程度までは許容される」という論調が目立っている。
 そんななか、筆者がいま一番気になっているのは、相場のカナリアといわれる「ハイイールド(ジャンク債)」が先週の水曜日から出来高を伴って急落したことである。現段階ではジャンク債だけに「金利上昇にたまらず下げただけ?」か、判断がつきづらいが、相場の暴落の際はたいていハイイールド債が真っ先に下がるので、今週はこれを見極めてからでないと動けない!
 もう1つは、今日から再開した「上海株」である。4日の香港市場では、売買代金に占める全体の空売り比率が18%と、過去20年で2番目の高水準となったと報道された。他にもUBSが香港を主要20都市で「不動産バブルのリスクが一番高い」と警告(過去5年で35%値上がり)するなど、中国は今後の景気悪化が不安視されるなか、月曜日の上海株は、-3.72%となる2716ポイントまで下げて引けた。こうなると、節目となる2700ポイントに近すぎることから、少なくても火曜日のAM10:30の上海株の動向をみないことには、新規の買いポジションを積み上げることは避けたほうがよい、といわざるをえない。
 また米国では、金曜日にSQを迎える。現在の米国市場の下げが、ヘッジファンド勢の決算前の最後の悪あがきの可能性があるため、最低でも水曜日いっぱいまでは様子見が賢明だろう。そして11日(木)PM21:30に発表される「米国消費者物価指数(CPI)」がでたあとの、米国10年債利回りと米国株の動向には気を配りたい。現在、コア指数のコンセンサスは、前年比+2.3%だというが、この指標が上振れればインフレ加速と捉えられ、金利上昇の流れが加速しやすいだろう。
 逆に日本株の見通しは、前述した懸念が顕在化しなければ、前稿の見立てよりも強気で考えている。先週は月曜日に「日銀短観」が発表されて、大企業は為替見通しを、通期107.4円(上期:107.52円、下期:107.29円)でみていることがわかった。ともなれば、為替レートをドル円で105円を想定している10月10日決算発表の先陣を切る「安川電機」(6506)の決算が楽しみになる。加えて、10月24日(水)に召集される臨時国会で「補正予算」が決定されることを折り込みにいく流れがでるだろうこと、日本企業の好決算を株価が折り込みにいくことも鑑み、11月6日(火)の米国中間選挙実施前までは強気とするのが当然だろう。幸いなことにトランプ氏は、選挙対策に忙殺される時期で、米国の株価は気にするだろうし、外交は後回しになるはずだ。
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2018.10.01

≪連載(101回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(10月1日~10月5日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週金曜日の日経平均株価の終値は24,120円と、1週間で+250円の上昇となった。土曜朝に日経平均先物を確認すると、24,180円とさらに上昇しており、これで3週連続の+1873円もの大暴騰となったことになる。今週の日経平均株価は、これまでの上昇があまりにも急ピッチだったことから日経平均株価指数の大幅上昇は望みにくいが、変わらず売買代金が活況水準を保てれば、好地合いとなり、出遅れているTOPIXや、東証2部・ジャスダック、そしてマザーズ指数の本格上昇に期待ができそうだ。
 この根拠となるのが、海外投資家の9月3週目の「投資部門別週間売買動向」(日経平均現物&先物・TOPIX・JPX含む)。詳細はテクニカルの項に譲るが、超大幅な買い越しとなったため、ここから日経平均株価指数が崩れる気がまるでしないのだ。海外勢はいったん買い越しに転じると、その勢いはしばらく続きやすいのが常である。また、個人投資家がこの上昇局面で早くも売却姿勢であることも、大きな材料(※詳細はテクニカルの項にて)となる。逆に、信用売り残は大幅増だ。いつでも個人投資家は海外勢の食い物にされてきた歴史からも、ここから相場が崩れる気配はない。
 さて、今週のストラテジーへと移りたい。筆者は今週、日経平均株価が、これまでの年初来高値であった24,124円を割らない展開(割ってもすぐに強含み)であることを想定している。よってこの水準をデイリーで明確に割ってしまい、かつ、為替の円安ムード(ドル円113円)が削がれてしまった場合は、5日移動平均線が23,863円であることから、ここまでの調整がじゅうぶん起こりえるだろう。こうなった場合は、いったん様子見が賢明だが、為替が崩れていなければ、新規買い、押し目買いが報われる相場だといえる。
 また、それとは違った意味合いで、現状において散々売り崩されたままである「SUMCO」(3436)などの半導体関連株、中国向けの工作機械関連や、「安川電機」(6506)などの産業用ロボット銘柄には、この好地合いだからこそ大きく注目している。これらのセクターが出来高を伴い出直り基調となれば、好地合い継続と判断して、筆者はまずこのセクターの新規買いを行う予定だ。
 最後に2つ。先週に米国のFOMCがあったので、この備忘録と、年末までの株式相場の見通しを述べて締めさせていただきたい。
 まずはFOMCから。ターミナル(均衡)金利は、FOMC後も変わらず、3.375%程度(2018年あと1回、2019年3回、2020年1回、2021年は0回の利上げ見通しである)である。米国の経済見通しは、FRB議長・パウエル氏によると、2018年+3.1%(従来2.8%)、2019年+2.5%(従来2.4%)、2020年+2%(据え置き)、2021年+1.8%成長だということだ。米国の潜在成長率は2%程度であることを鑑みても、2018年度、19年度見通しの引き上げは大きい。ただ、株式トレードの基本的な考え方として、「利上げをしている最中は株価が強含みで、利上げができない経済状態となれば株価は崩落する」という哲学に従えば、株式の上昇は2019年の半ばには止まるものと考えている。
 次に年末までの「株式相場」の見通しに移る。まずアメリカ。現在のS&P指数をみれば、間違いなく現在は安値圏ではないだろう。見方によってはかなりの高値圏である、ともいえる。FOMCでは、2020年の利上げが1回、2021年が0回としたが、これはリーマンショック後から始まった景気拡大のサイクルの10年周期と、今後表面化する貿易摩擦の悪影響、そしてトランプ大統領の過度な経済政策の剥落を強く意識しているのであろう。現在、米国株式市場は堅調に推移しているため、過度な不安を煽りたくはないが、仮に米国市場が波乱に見舞われた際は、ここまでの上昇が急ピッチだった日本株は一気に崩れることになることは意識しておきたい。
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2018.09.25

≪連載(100回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(9月25日~9月28日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は23,870円と、1週間で+785円もの大暴騰となった。今週以降は、まずは24,000円、そして1月23日の年初来高値24,129円(終値ベースでは24,124円)を意識する展開となりそうだ。週間で785円と、2週連続大幅上昇をして+1563円だっただけに、並みの神経の持ち主では調整が頭をよぎるはず――。ただ、海外勢は完全にリスクオンとなっている様子がアリアリとでており、ここで持ち株を売却して相場から降りてしまうのはとってももったいない、と感じる。
そう感じる一番の根拠は売買代金である。9月3週目(18日~21日)の東証1部の、1日当たりの売買代金は3兆2113億円となり、先週比+8470億円の増加となった。先週は週間を通じて売買代金は高水準だったが、とくに金曜は1日で3兆2113億円と、誰がどう考えても明確なリスクオンとなった。金曜日に売買代金は爆増していることから、ようするにいまリスクオンになったばかりだといえるだろう。
そしてこの日経平均株価指数の一気の急上昇に、逃げ遅れている海外勢(ヘッジファンド)の空売りポジションが多く潜んでいそうだ。ヘッジファンドの決算の多くは11月末である。顧客の解約申し込み期日は、45日ルールが一般的だと考えると、10月中旬から下旬まで。となれば少なくとも10月上旬までは、これらの筋に対する締め上げ圧力が働き、株の買戻しを余儀なくされ日経平均は底堅い、と考えるのがこの世界の習わしだろう。日本株は、今年に入ってヘッジファンドとみられる空売り筋に、散々苦しめられていただけに、たまにはこういう美味しい局面があってもいい。ただ、8月末時点でS&P指数は年初来、+8.5%の水準であるものの、ヘッジファンド勢のパフォーマンスは▲1.8%だという報道もあったので弱肉強食ということか。なんにせよ空売り勢は、11月6日の米国中間選挙前に予想される波乱時期までは、ポジションを維持できないだろう。
さて、今週のストラテジーへと移りたい。今週は、米国が対中貿易追加関税第3弾(2000億ドル10%)を24日に発動し、呼応するように中国側は、報復関税(600億ドル5~10%)を発令した。そして今後の米国との貿易通商協議の再開を拒否する、と公式発表済み。にもかかわらず、24日PM11:00現在の日経平均CFDは23,814円の値を保っている。いままで悪材料視された米中貿易戦争は、もう市場に悪影響を与えていない。
今週は、24日(月)に「日米貿易協議」(FFR)、そして日米貿易協議に進展を及ぼすと予想される26日(水)の「日米首脳会談」、27日(木)の「FOMC」と、ビッグイベントが目白押しで、これらが相場展開のカギを握るとみられる。
これらの中で、一番重要だと筆者が感じているのが「FOMC」。FOMCで2019年度の利上げ回数見通しを3回とみているか否か? そして政策金利の発表後に米国10年債利回りがどう動くか? はたいへん重要だ。10年物国債利回りの高値は、5月17日の3.115%。現在3.068%まで接近しており、これを上抜けるようであれば、さすがに米国株式市場は持たないだろう。
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2018.09.18

≪連載(99回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(9月18日~9月21日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週金曜日の日経平均株価の終値は23,085円と、1週間で+778円もの大暴騰となった。土曜に日経平均CFDを確認しても、しっかり続伸して23,234円で引けている。これで、今年5月からの上値抵抗線だった日経平均23,000円どころを、5回目のトライで明確に上抜けてきたわけだ! これは素直に大喜びしていい局面だと感じている。
 というのも、金曜日の寄付きは9月のメジャーSQ値が算出され23,058円となったが、その後は、SQ値を上回れずに推移し、最終的に上方向に向かったのは14:41分の引け間際だった。今週はそこまでの上昇の動きが急激だったこともあり、メジャーSQ値算出の後は、幻のSQとなり、「やっぱり今回も日経平均23,000トライはダメだったか…」と、失速する展開となることがじゅうぶん考えられた。それが、1日しっかり揉んで上に向かったことは、大きな価値があると考えている。
 また金曜日は、メジャーSQを除けば、売買代金は2兆3000億円程度と、決して多いとは言い難かったが、個別株の値動きをみていると珍しく「トピックス」を中心に強かった。筆者は14日朝に成り行きで景気敏感株の代表銘柄である「SUMCO(3436)」、そして中期の成長を期待してかなり多めに資金を「村田製作所(6981)」に入れたが、2銘柄とも損切りラインに抵触する可能性を感じさせない強さで、日経平均株価指数をアウトパフォームした。その後、夜間取引においても日経平均先物はしっかり値を伸ばしており、現時点では「明確に上方向へと向かい、秋相場に号砲が鳴り響いた」と言い切ってよいだろう。
 この急上昇の原動力となったのは「米中貿易協議」での進展だ。12日(水)対中貿易強硬派の米通商代表部(USTR)ライトハイザー氏ではなく、穏健派のムニューシン財務長官&クドロー米国家経済会議委員長が「貿易摩擦の一段の激化を避けるため新しい内容での貿易協議を打診」との報道がでて相場付きは変わり、さらに13日(木)に「中国側が受け入れ協議を再開する」と表明すると相場のムードは一変した。また、13日(木)東証発表の空売り比率が、34日ぶりに40%を割り込んだことも心理面から大きかったといえるだろう。
 しかし、相変わらずトランプ大統領は天邪鬼だ……。13日(木)の段階で、すでに「ムニューシン報道は間違いだ」とツイッターでつぶやき、14日も「側近に2000億ドルの中国製品関税引き上げの準備を命じた」とでて、しまいには16日(日)に「対中追加関税2000億ドルの第三弾を17日にも表明」との報道がなされた。ただ、内容はいくぶんソフトな内容に変わり、追加関税のパーセンテージを25% ⇒ 10%に修正したもよう。実際の発動は、表明から数週間はかかるというので、次回の米中貿易通商協議が行われると噂される27日(木)までは、対中追加関税第3弾(2000億ドル)が実施されることはないだろう。また現段階では情報が錯綜しており、制裁関税発動日は11月6日の中間選挙前の「数週間内」に設定される見込み、との報道もある。
 ただ、中国側にこの行為が、「メンツをつぶされた」と捉えられ、通商協議をボイコットしてくる可能性がでてきている。さっそく、17日ウォールストリートジャーナル紙が報じるところによると、「頭に銃を突きつけられて交渉を行う用意はない」として、第3弾追加関税の発動を表明した場合、米中協議再開を拒否する可能性をちらつかせているのだ―――。
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2018.06.12

≪連載(86回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(6月11日~6月15日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週末の日経平均株価は22,694円で引け、先々週末比+524円の大幅上昇となった。その後、夜間の日経平均CFDは小幅高で引けたものの、週末のG7は喧嘩別れのような形となり、早々とトランプ大統領は北朝鮮との首脳会談のためシンガポールに向かったというので、週明けは多少下げて始まるだろう。そして、残念なことに今週に関して予想ができるのはもはやここまで。毎週、「今週のストラテジー」を書かせていただいている小生ではあるものの、今週の株価の行方はまったく予見することができないのだ。
 というのも12日(火)には「米朝首脳会談(シンガポール)」が行われ、13日(水)にはビッグイベントである「FOMC」があり、14日(木)には、イタリア騒動があった中で、量的緩和(債権買い入れ)終了か否かを議論する「ECB理事会」があり大きな注目を集めている。また15日(金)には、米国でメジャーSQがあるため、週中の動きは予想がしづらく、そんな中、米国による「対中関税品目リスト」を公表する期限がやってくるのだ。あまりに重要イベントが多すぎて予想の立てようもない。
 今週のイベントで、一番日本株に影響を与えるのは、もちろん13日の「FOMC」だろう。まずFOMCで発表されるドットチャート(政策金利の見通し)が年間4回となって、ロンガーラン(長期見通し)の中央値が3%になっていれば、足元ヘッジファンドが先物で仕掛けている「米国10年国債」の大量売り仕掛けが報われることとなる。先週、多くの報道がなされていたが、6月1日現在、CFTCの米国10年国債の先物売り越し額は、前週比11万2440枚多い、47万1067枚となり、データが開示されている1993年以降最大となっていた。足元でも40万枚の売り越し枚数を維持していると推計され、今後の政策金利見通しが低く出るようなものなら、ヘッジファン勢は丸コゲとなり、損切ラッシュで円高となる可能性が高い。
 また今回は、14日の「ECB理事会」も大注目だ。そもそも先週の米国市場の株価上昇(日本株も連れ高)の理由は、ECBが「金融政策の正常化に向けて前進する」との見立てから、米国長期金利が上昇し、金融株とハイテク株中心に上昇したというものであった。欧州経済は、年明けから良くない経済指標が、ドイツを中心にちらほら出てきているようにみえるが、ハト派の重鎮・プラート理事によると「なお、基調は強く順調」。先々週には、イタリアでポピュリズム政権が誕生し、ここでECBが緩和縮小に二の足を踏めば、財政拡張を唱えるイタリア政権を勢いづかせることになるので、経済情勢が弱い中、たいへんな正念場を迎える。また、量的緩和終了となれば、イタリアの国債金利は上昇必至だろう。
 上記2つのイベントは、無事通過し金利高の動きとなれば、日本にとっては金利差拡大からの「円安」が訪れ、ハッピーな結果となる。だが、週末の15日(金)には米国の「対中関税品目リスト」公表が待ち受ける。これが本当に発表されるようなら、各国の駆け引きの段階は終わり、世界は貿易戦争の渦に引きずりこまれるのだ。
 また先週報道された、米国発の嫌な気分になれるニュースも2つほど取り上げておきたい。1つ目は米国で、「6月1日以降IT株投資に陰りがでている」というニュース。フェイスブックで、利用者のプライベート情報をめぐる不祥事があったことから、米政府がIT産業に規制をかける動きが浮上しているらしい。高値圏にあるナスダックが気がかりである。2つ目は、米国・アップル社が、今秋発売予定の新型i-phoneの生産台数を、前年比で2割抑制し8000万台としている、というニュース。これは日本のハイテク部品会社にとっては直接的に大きなダメージとなるだろう。
 また、良いニュースか悪いニュースか判断がつきかねる内容のものも飛び出した。米国・トランプ大統領が仕掛ける貿易戦争について、上院の民主・共和党連合は、トランプ大統領が国家安全保障を理由とする輸入関税の適用をする際に、議会の承認を義務付ける法案の提出を計画している、というのだ。全米小売業界を中心に、トランプ大統領の輸入関税導入の動きには強い懸念が示されていることから、すでに議員の多数が賛成に回っているということらしい。現時点で、実際に法案が出たのかはっきりしないが、これがさらに大きく報道されるようだと、トランプ大統領の指導力が問われる結果となり、短期的な波乱を呼びそうだ。
 さて、今週のストラテジーへと移りたい。まずは下値から。5日移動平均線と25日線の交わる22,600円近辺が下値を支える目途として機能するか!? が焦点となるだろう。ようするにここを下回りそうなら、ヘッジ売りが必要だということ。TOPIXでみた場合は、先週末の終値が1781ポイント、75日線と200日線が1750ポイントであるため、これを下回るようなら、かなり逃げ腰のポジションを取っておく必要があるといえる。ただ、下値の目途については、為替水準と睨めっことなるが、よっぽどのことがない限りPER13倍である21,671円を下回るような暴落とはならないだろう。また最悪の事態となった場合は、PER12.5倍×EPS1667円= 20,838円という数字が下値の支持線として強く機能する、ということは覚えておきたい。
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2018.06.05

<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(679)あの宇野康秀社長が出資したブラック企業

 最初に断っておくが、筆者は旧母体USENが傘下の持株会社「USENーNEXT HOLDINGS」(9418。東証1部。東京都港区)の宇野康秀社長(冒頭写真。54)を評価しており、今後の活躍に期待している。
 今回取り上げるのは、その宇野氏が東京・恵比寿に本社のある飲食店運営会社に約1億円出資したことについてだ。出資自体は何ら問題ない。だが、まずその企業が何ともブラックなのだ
 企業名はとりあえず伏せておく。
 いかにブラックかというと、正社員でもボーナスがない。残業代もなし、退職金もないとないない尽くし。
 それでいて、残業はいつも突然やってくる。しかも午後11ぐらい、午前を回ることもめずらしくないという。その上、残業後に強制飲み会で朝までよくつき合わされるという。
 残業は男女を問わず、女性に対してさえ残業後の飲み会は半強制だという。
 繰り返すが、残業代は出ない。ただ、帰宅がともかく遅くなった場合、翌日の遅刻は認めるそうだ、それが改善と呼べるようなものではないことはいうまでもない。というか、何と適当な会社だろう。
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≪連載(85回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(6月4日~6月8日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週金曜日に発表された米国の5月雇用統計は、失業率3.75%、インフレ率は2ヶ月連続2%近辺(※エネルギーと食料品を除くコアインフレ率は前年比+1.8%)まで到達し、賃金の伸びは緩やかながらも上向くという、想定以上の数値がでた。すでに好況に沸いているアメリカ経済がさらにブラシュアップした形で、特に失業率の低さは、50年ぶりのことだという。
 この結果、週中に突如やってきた「イタリア政治不安ショック」から立ち直り、NYダウ+219ドル高、日経平均先物も大きく買われて22,378円。先週はこの一撃で、週間-73円のまったり弱含み相場ですんだことになる。
 筆者の認識としては、イタリアのポピュリズム連立政権は、そもそも極右と極左の寄せ集めであるためうまくいくわけがなく、ユーロ離脱含みであることも折り込み済みなはずで、こうまで騒動が大きくなったこと自体がサプライズだと考えていた。よって悪地合いの中でポジション調整ができておらず、ホ―ッと一安心である。
 しかし、ナスダックに至っては直近の揉みあいを上放れ、3/13につけた史上最高値7637ポイントを目指せる7557ポイントで引けており、この指数が強ければいずれ日本のハイテク株にも恩恵があることは間違いがなく、この点だけとってみれば楽しみでしょうがない。
 ただ、現在のNYダウの弱含み推移が正しいのか? ナスダック指数の上値追いが正しいのかは、現時点では判断がつかないため、はっきりするまでは様子見がベストだとも考えている。
 それと備忘録を。雇用統計を直前に控えた時刻に、トランプ大統領による「8時半の米雇用統計が楽しみ!」とのツイートがあった。これだけなら特に問題がなかったように思えるが、その後、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が、「トランプ大統領は前夜には数字を把握している」と発言。よって、トランプ氏のツイッターにはこれまで以上に注意を払う必要があるだろう。
 さて、今週のストラテジーに移りたい。今週は、トランプ米国が、各国に貿易戦争を仕掛けている最中。そんななか日本市場では「メジャーSQ」があるといえば、日経平均株価の不安定さは容易に想像がつくのではないだろうか。
 それに今週は、イタリアのポピュリズム連立政権【五つ星運動(極左)・同盟(極右)】誕生のファーストウィーク。同盟のサルビーニ書記長や、五つ星のディマイオ党首が発言しようものなら、やれユーロ離脱気運の高まりだ、と株式市場に負の圧力がかかるだろう。結果、多重債務国であるイタリア国債が売られることになり、延いてはユーロ売り円買いの動きがでて、円高進行となるシーンが目に浮かぶようだ。
 また週末には、G7首脳会議が開催される。米国が仕掛けた、アルミ・鉄鋼への輸入関税に対して、EU・カナダは報復関税のかまえをみせており、具体的な対策が話しあわれることになるだろう。よって、週末にかけてはポジション調整の売りがでることも間違いない。ようするに今週は日本の株価が上がる予想が立てづらい週なのだ。
 さらには米国は中国に対し「知的財産権侵害に対する制裁関税」の最終案を6月15日までに発表するとし、「速やかに発動」と宣言。5/21に制裁関税は一時留保する、という方針を出したはずが手のひら返しもいいところだ。たたみ掛けるように、「中国企業の対米投資を制限する制裁案」も6月末までに発表、ときたからそら恐ろしい。現在~4日(月)の日程で、米国ロス商務長官が訪中し、通商協議をしている最中。おそらく中国側は商売のお得意様である米国を怒らせることは避け、さらなる妥協案を公表することになるだろうが、これが違った反応を示したら大パニックを呼ぶだろう。仮に中国側が、徹底抗戦する構えでもみせたら、まさに貿易戦争の号砲が鳴る。こうなったら大急ぎで資産の保全を急ぐべきだろう。
 その下方向に向かう目安、として今週取り上げたいのは「75日移動平均線」。先週、「日経平均株価がこのラインを割り込まなかった」、とはよく目にしたニュースである(※残念ながらトピックスに関しては割り込んだ)。これを今週も指示線として使わせていただきたい。すると目安は、日経平均株価の22,000円割れ水準とみてよいだろう。トピックスで考えるならば、22,150円あたりが目安となるので、かなり下に近いところだ。
 下値の目途については、為替水準と睨めっことなるが、よっぽどのことがない限り21,600円を下回るような暴落とはならないだろう。PER13倍×EPS1662円=21,606円という数字も下値の支持線として強く機能するはずだ。よって今週は、下方向の揺さぶりに気をつけながら、テクニカルの項で後述している理由により、マザーズ・小型株の動向をよくウォッチする週としたい。
 最後に、貿易戦争さえ起らなければ、株価は企業業績にもう少し寄り添うはず、との思いから、米国が仕掛ける貿易戦争終結の目途となる、トランプ政権の「支持率」について記しておく。この貿易戦争は11月6日に投開票となる中間選挙へのアピールの場だということは周知の事実である。現在はトランプ大統領の支持率は44.4%、不支持率は52.8%、政党別では民主党43%、共和党39.8%のようだ。一時期の低迷から考えればだいぶ支持率を伸ばしているようだが、まだ物足りない水準。「米国中間選挙に向けて、共和党優勢」などの報道があった時、それは株式の買い場であることを忘れないようにしたい。
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2018.05.28

≪連載(84回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(5月28日~6月1日)&MY注目銘柄

 ≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週末の日経平均株価は、週末にかけて夜間の先物市場で大崩れを交えながら、22,451円と先週末比-479円のプチ暴落で引けた。前稿を書いた段階では、売買代金が膨らんでいない現状と、為替水準の一気の円安の揺り戻しを警戒しつつ「弱含み持合い」を基本路線とし、決算を終えた個別銘柄重視の展開を予想していたが、大きく目算が狂ってしまった。その後も土曜朝に日経平均CFDを確認すると、22,356円と-95円で引けている。
 この波乱の原因は23日、トランプ大統領が「米国に輸入される自動車関税を現行の2.5%→ 25%に見直す検討に入った」と発表したこと。日本で自動車産業に従事する人口は、約1割と大きく、これがそのまま実施されれば被害は甚大である。また、トランプ大統領の言いたい放題がまかり通るこの状況では、自動車関連以外の「輸出関連銘柄」からの投資資金引き上げの流れも必然だろうか。
 そして24日には、トランプ大統領から「米朝首脳会談中止」の正式な通達がでた。事前報道ですでに、北朝鮮からの米国反発報道が数多く出ており、これは株価にかなり織り込んでいたものの、下げ相場を加速させる役割はきっちり果たした。しかし、核放棄をさせる相手国に、「米国の核兵器はあまりにも大規模で強大、使わせないでほしい」という論理で圧力をかけるのは、聞いていてあまり気持ちがいいものではない。ただ結果は伴っているようで、さっそく5月25日北朝鮮から緊張緩和の表明がみられたことで、ふたたび6月12日「米朝首脳会談」へ向けて調整中となっている。とにかく北朝鮮が「核放棄に合意」となりさえすれば、地政学的に近い日本株式市場が大幅高に沸くこと請け合いなので、楽しみにその日を待ちたい。
 さて、今週のストラテジーに移りたい。週明け月曜日は、NY・ロンドンなどの市場が休場であり、こうしたお休みムードが蔓延する中で日経平均株価の25日線(※25日現在)である、22,528円奪還に向けた動きがでてくるか? が焦点となる。週末の国際情勢を踏まえて、基本、月曜日に日経平均株価が大崩れするような市場クラッシュはない! と判断している。ただ、日米ともに決算発表を終えたばかりで、材料難の相場である。すぐに日経平均株価が23,000円を目指せるような地合いにはならないだろう。ようするに今週は強含みが精いっぱいでの、「株価横ばい圏での推移」を本線としたい。ちなみに、3月上昇局面での投機筋のポジションを振り返ってみると、原油買い&米国債売り、ユーロ買いのドル&円売りだったため、この動きが継続すれば、日本株にも追い風が吹きそうだ。
 こうした地合いのなか、やはり狙いは、マザーズ・ジャスダックの材料つき業績好調株だろう! 例年、6月の夏前にかけては、東証マザーズやジャスダックの売買代金が年間で一番盛り上がるシーズン。よって決算発表を終えた、業績&材料ともに揃っている小型株をみつけたならば、買いで入れば報われる可能性は高い。
 逆に相場に波乱があった際の下値の目途は、現在、最低線での日経平均株価の目安として、PER13.5倍×EPS1662円=22,437円と算出できるのは心強い。結論としては今週は、よっぽどのことがない限りは下方向に向かうことはないと考えている。
 ただ、9月の自民党総裁選を控える中で安倍首相の3選が確定し、「アベノミクス継続」とならない限り、日本株全体が大きく買われることもない、と一抹の不安が脳裏をよぎってもいる。もちろんこの考えについては、筆者の不安がめでたく外れ、売買代金3兆円に近づくような大商いでの指数上昇があった場合は、バカになって買い転換するのが正しい投資戦略だろう。次の売買代金を伴った指数上昇局面では、必ず現物株も買ってくるだろうから。
 もう1つ、米国で11月に中間選挙を控える中、不透明感から選挙前に株価が上がりづらい、というジンクスがあるようだ。過去5回を振り返ると、5月~9月にかけて平均-1%下落し、逆に10月~12月の平均リターンは+8%となっている。
 最後に備忘録を載せておく。決算が出揃った段階で、日米の今後の増益率に関するコンセンサスが、楽天証券からでたので紹介したい。米国は2018年前年比+29%、2019年+10%(※法人減税の剥落アリ)、日本は2018年前年比+5.6%増、2019年+8.4%増が見込まれているという。日本の会計年度では現在2019年度であるが、これとは違った区切りとなっているためわかりづらいが、日本の2019年の増益率が大きく上昇しているのに気が付くはずだ。日本企業の稼ぐ力は向上しており、この勢いは、2019年10月に予定される消費増税を経て、見えるところで2020年までは増益基調を維持する見通しというから心強い。
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2018.05.21

<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(677)自主規制ルール無視し、あの問題証券マンが再就職

 一般投資家が証券会社に口座開設するとき、多くの証券会社は過去5年間の信用照会をする。その5年間に反社会勢力に属していた、あるいは犯罪歴など何らかの問題があれば口座開設は認められない。
 一方、証券会社職員についても、同じく過去5年間に何らかの問題を起こしていればやはり口座開設できない。
 しかも、証券会社職員の場合、自身が問題の張本人ではなくても、例えば当時所属していた会社が不祥事を起こし、自分がたまたま取締役として在籍していたというだけでも口座開設を拒否されたケースもある。一般投資家以上に、厳しいのだ。
 さらに証券会社職員の場合は、在職中に問題を起こした場合、当然、最低でも自主退社となるが、その場合も同じく5年間は他の証券会社が雇わないことになっている。
 これらはあくまで証券業界の自主ルールによるもので、法的強制力はない。とはいえ、巨額の金銭を扱い、問題が起きれば瞬時に巨額の損失が出る鉄火場の業界だ。当然のことだろう。
 ところが、つい最近、問題を起こして自主退社を余儀なくされた証券マンを、ある証券会社は自主規制を破って雇ったものだから、業界内でどうして? と話題を呼んでいる。
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