2018.06.12

≪連載(86回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(6月11日~6月15日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週末の日経平均株価は22,694円で引け、先々週末比+524円の大幅上昇となった。その後、夜間の日経平均CFDは小幅高で引けたものの、週末のG7は喧嘩別れのような形となり、早々とトランプ大統領は北朝鮮との首脳会談のためシンガポールに向かったというので、週明けは多少下げて始まるだろう。そして、残念なことに今週に関して予想ができるのはもはやここまで。毎週、「今週のストラテジー」を書かせていただいている小生ではあるものの、今週の株価の行方はまったく予見することができないのだ。
 というのも12日(火)には「米朝首脳会談(シンガポール)」が行われ、13日(水)にはビッグイベントである「FOMC」があり、14日(木)には、イタリア騒動があった中で、量的緩和(債権買い入れ)終了か否かを議論する「ECB理事会」があり大きな注目を集めている。また15日(金)には、米国でメジャーSQがあるため、週中の動きは予想がしづらく、そんな中、米国による「対中関税品目リスト」を公表する期限がやってくるのだ。あまりに重要イベントが多すぎて予想の立てようもない。
 今週のイベントで、一番日本株に影響を与えるのは、もちろん13日の「FOMC」だろう。まずFOMCで発表されるドットチャート(政策金利の見通し)が年間4回となって、ロンガーラン(長期見通し)の中央値が3%になっていれば、足元ヘッジファンドが先物で仕掛けている「米国10年国債」の大量売り仕掛けが報われることとなる。先週、多くの報道がなされていたが、6月1日現在、CFTCの米国10年国債の先物売り越し額は、前週比11万2440枚多い、47万1067枚となり、データが開示されている1993年以降最大となっていた。足元でも40万枚の売り越し枚数を維持していると推計され、今後の政策金利見通しが低く出るようなものなら、ヘッジファン勢は丸コゲとなり、損切ラッシュで円高となる可能性が高い。
 また今回は、14日の「ECB理事会」も大注目だ。そもそも先週の米国市場の株価上昇(日本株も連れ高)の理由は、ECBが「金融政策の正常化に向けて前進する」との見立てから、米国長期金利が上昇し、金融株とハイテク株中心に上昇したというものであった。欧州経済は、年明けから良くない経済指標が、ドイツを中心にちらほら出てきているようにみえるが、ハト派の重鎮・プラート理事によると「なお、基調は強く順調」。先々週には、イタリアでポピュリズム政権が誕生し、ここでECBが緩和縮小に二の足を踏めば、財政拡張を唱えるイタリア政権を勢いづかせることになるので、経済情勢が弱い中、たいへんな正念場を迎える。また、量的緩和終了となれば、イタリアの国債金利は上昇必至だろう。
 上記2つのイベントは、無事通過し金利高の動きとなれば、日本にとっては金利差拡大からの「円安」が訪れ、ハッピーな結果となる。だが、週末の15日(金)には米国の「対中関税品目リスト」公表が待ち受ける。これが本当に発表されるようなら、各国の駆け引きの段階は終わり、世界は貿易戦争の渦に引きずりこまれるのだ。
 また先週報道された、米国発の嫌な気分になれるニュースも2つほど取り上げておきたい。1つ目は米国で、「6月1日以降IT株投資に陰りがでている」というニュース。フェイスブックで、利用者のプライベート情報をめぐる不祥事があったことから、米政府がIT産業に規制をかける動きが浮上しているらしい。高値圏にあるナスダックが気がかりである。2つ目は、米国・アップル社が、今秋発売予定の新型i-phoneの生産台数を、前年比で2割抑制し8000万台としている、というニュース。これは日本のハイテク部品会社にとっては直接的に大きなダメージとなるだろう。
 また、良いニュースか悪いニュースか判断がつきかねる内容のものも飛び出した。米国・トランプ大統領が仕掛ける貿易戦争について、上院の民主・共和党連合は、トランプ大統領が国家安全保障を理由とする輸入関税の適用をする際に、議会の承認を義務付ける法案の提出を計画している、というのだ。全米小売業界を中心に、トランプ大統領の輸入関税導入の動きには強い懸念が示されていることから、すでに議員の多数が賛成に回っているということらしい。現時点で、実際に法案が出たのかはっきりしないが、これがさらに大きく報道されるようだと、トランプ大統領の指導力が問われる結果となり、短期的な波乱を呼びそうだ。
 さて、今週のストラテジーへと移りたい。まずは下値から。5日移動平均線と25日線の交わる22,600円近辺が下値を支える目途として機能するか!? が焦点となるだろう。ようするにここを下回りそうなら、ヘッジ売りが必要だということ。TOPIXでみた場合は、先週末の終値が1781ポイント、75日線と200日線が1750ポイントであるため、これを下回るようなら、かなり逃げ腰のポジションを取っておく必要があるといえる。ただ、下値の目途については、為替水準と睨めっことなるが、よっぽどのことがない限りPER13倍である21,671円を下回るような暴落とはならないだろう。また最悪の事態となった場合は、PER12.5倍×EPS1667円= 20,838円という数字が下値の支持線として強く機能する、ということは覚えておきたい。
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2018.06.05

<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(679)あの宇野康秀社長が出資したブラック企業

 最初に断っておくが、筆者は旧母体USENが傘下の持株会社「USENーNEXT HOLDINGS」(9418。東証1部。東京都港区)の宇野康秀社長(冒頭写真。54)を評価しており、今後の活躍に期待している。
 今回取り上げるのは、その宇野氏が東京・恵比寿に本社のある飲食店運営会社に約1億円出資したことについてだ。出資自体は何ら問題ない。だが、まずその企業が何ともブラックなのだ
 企業名はとりあえず伏せておく。
 いかにブラックかというと、正社員でもボーナスがない。残業代もなし、退職金もないとないない尽くし。
 それでいて、残業はいつも突然やってくる。しかも午後11ぐらい、午前を回ることもめずらしくないという。その上、残業後に強制飲み会で朝までよくつき合わされるという。
 残業は男女を問わず、女性に対してさえ残業後の飲み会は半強制だという。
 繰り返すが、残業代は出ない。ただ、帰宅がともかく遅くなった場合、翌日の遅刻は認めるそうだ、それが改善と呼べるようなものではないことはいうまでもない。というか、何と適当な会社だろう。
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≪連載(85回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(6月4日~6月8日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週金曜日に発表された米国の5月雇用統計は、失業率3.75%、インフレ率は2ヶ月連続2%近辺(※エネルギーと食料品を除くコアインフレ率は前年比+1.8%)まで到達し、賃金の伸びは緩やかながらも上向くという、想定以上の数値がでた。すでに好況に沸いているアメリカ経済がさらにブラシュアップした形で、特に失業率の低さは、50年ぶりのことだという。
 この結果、週中に突如やってきた「イタリア政治不安ショック」から立ち直り、NYダウ+219ドル高、日経平均先物も大きく買われて22,378円。先週はこの一撃で、週間-73円のまったり弱含み相場ですんだことになる。
 筆者の認識としては、イタリアのポピュリズム連立政権は、そもそも極右と極左の寄せ集めであるためうまくいくわけがなく、ユーロ離脱含みであることも折り込み済みなはずで、こうまで騒動が大きくなったこと自体がサプライズだと考えていた。よって悪地合いの中でポジション調整ができておらず、ホ―ッと一安心である。
 しかし、ナスダックに至っては直近の揉みあいを上放れ、3/13につけた史上最高値7637ポイントを目指せる7557ポイントで引けており、この指数が強ければいずれ日本のハイテク株にも恩恵があることは間違いがなく、この点だけとってみれば楽しみでしょうがない。
 ただ、現在のNYダウの弱含み推移が正しいのか? ナスダック指数の上値追いが正しいのかは、現時点では判断がつかないため、はっきりするまでは様子見がベストだとも考えている。
 それと備忘録を。雇用統計を直前に控えた時刻に、トランプ大統領による「8時半の米雇用統計が楽しみ!」とのツイートがあった。これだけなら特に問題がなかったように思えるが、その後、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が、「トランプ大統領は前夜には数字を把握している」と発言。よって、トランプ氏のツイッターにはこれまで以上に注意を払う必要があるだろう。
 さて、今週のストラテジーに移りたい。今週は、トランプ米国が、各国に貿易戦争を仕掛けている最中。そんななか日本市場では「メジャーSQ」があるといえば、日経平均株価の不安定さは容易に想像がつくのではないだろうか。
 それに今週は、イタリアのポピュリズム連立政権【五つ星運動(極左)・同盟(極右)】誕生のファーストウィーク。同盟のサルビーニ書記長や、五つ星のディマイオ党首が発言しようものなら、やれユーロ離脱気運の高まりだ、と株式市場に負の圧力がかかるだろう。結果、多重債務国であるイタリア国債が売られることになり、延いてはユーロ売り円買いの動きがでて、円高進行となるシーンが目に浮かぶようだ。
 また週末には、G7首脳会議が開催される。米国が仕掛けた、アルミ・鉄鋼への輸入関税に対して、EU・カナダは報復関税のかまえをみせており、具体的な対策が話しあわれることになるだろう。よって、週末にかけてはポジション調整の売りがでることも間違いない。ようするに今週は日本の株価が上がる予想が立てづらい週なのだ。
 さらには米国は中国に対し「知的財産権侵害に対する制裁関税」の最終案を6月15日までに発表するとし、「速やかに発動」と宣言。5/21に制裁関税は一時留保する、という方針を出したはずが手のひら返しもいいところだ。たたみ掛けるように、「中国企業の対米投資を制限する制裁案」も6月末までに発表、ときたからそら恐ろしい。現在~4日(月)の日程で、米国ロス商務長官が訪中し、通商協議をしている最中。おそらく中国側は商売のお得意様である米国を怒らせることは避け、さらなる妥協案を公表することになるだろうが、これが違った反応を示したら大パニックを呼ぶだろう。仮に中国側が、徹底抗戦する構えでもみせたら、まさに貿易戦争の号砲が鳴る。こうなったら大急ぎで資産の保全を急ぐべきだろう。
 その下方向に向かう目安、として今週取り上げたいのは「75日移動平均線」。先週、「日経平均株価がこのラインを割り込まなかった」、とはよく目にしたニュースである(※残念ながらトピックスに関しては割り込んだ)。これを今週も指示線として使わせていただきたい。すると目安は、日経平均株価の22,000円割れ水準とみてよいだろう。トピックスで考えるならば、22,150円あたりが目安となるので、かなり下に近いところだ。
 下値の目途については、為替水準と睨めっことなるが、よっぽどのことがない限り21,600円を下回るような暴落とはならないだろう。PER13倍×EPS1662円=21,606円という数字も下値の支持線として強く機能するはずだ。よって今週は、下方向の揺さぶりに気をつけながら、テクニカルの項で後述している理由により、マザーズ・小型株の動向をよくウォッチする週としたい。
 最後に、貿易戦争さえ起らなければ、株価は企業業績にもう少し寄り添うはず、との思いから、米国が仕掛ける貿易戦争終結の目途となる、トランプ政権の「支持率」について記しておく。この貿易戦争は11月6日に投開票となる中間選挙へのアピールの場だということは周知の事実である。現在はトランプ大統領の支持率は44.4%、不支持率は52.8%、政党別では民主党43%、共和党39.8%のようだ。一時期の低迷から考えればだいぶ支持率を伸ばしているようだが、まだ物足りない水準。「米国中間選挙に向けて、共和党優勢」などの報道があった時、それは株式の買い場であることを忘れないようにしたい。
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2018.05.28

≪連載(84回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(5月28日~6月1日)&MY注目銘柄

 ≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週末の日経平均株価は、週末にかけて夜間の先物市場で大崩れを交えながら、22,451円と先週末比-479円のプチ暴落で引けた。前稿を書いた段階では、売買代金が膨らんでいない現状と、為替水準の一気の円安の揺り戻しを警戒しつつ「弱含み持合い」を基本路線とし、決算を終えた個別銘柄重視の展開を予想していたが、大きく目算が狂ってしまった。その後も土曜朝に日経平均CFDを確認すると、22,356円と-95円で引けている。
 この波乱の原因は23日、トランプ大統領が「米国に輸入される自動車関税を現行の2.5%→ 25%に見直す検討に入った」と発表したこと。日本で自動車産業に従事する人口は、約1割と大きく、これがそのまま実施されれば被害は甚大である。また、トランプ大統領の言いたい放題がまかり通るこの状況では、自動車関連以外の「輸出関連銘柄」からの投資資金引き上げの流れも必然だろうか。
 そして24日には、トランプ大統領から「米朝首脳会談中止」の正式な通達がでた。事前報道ですでに、北朝鮮からの米国反発報道が数多く出ており、これは株価にかなり織り込んでいたものの、下げ相場を加速させる役割はきっちり果たした。しかし、核放棄をさせる相手国に、「米国の核兵器はあまりにも大規模で強大、使わせないでほしい」という論理で圧力をかけるのは、聞いていてあまり気持ちがいいものではない。ただ結果は伴っているようで、さっそく5月25日北朝鮮から緊張緩和の表明がみられたことで、ふたたび6月12日「米朝首脳会談」へ向けて調整中となっている。とにかく北朝鮮が「核放棄に合意」となりさえすれば、地政学的に近い日本株式市場が大幅高に沸くこと請け合いなので、楽しみにその日を待ちたい。
 さて、今週のストラテジーに移りたい。週明け月曜日は、NY・ロンドンなどの市場が休場であり、こうしたお休みムードが蔓延する中で日経平均株価の25日線(※25日現在)である、22,528円奪還に向けた動きがでてくるか? が焦点となる。週末の国際情勢を踏まえて、基本、月曜日に日経平均株価が大崩れするような市場クラッシュはない! と判断している。ただ、日米ともに決算発表を終えたばかりで、材料難の相場である。すぐに日経平均株価が23,000円を目指せるような地合いにはならないだろう。ようするに今週は強含みが精いっぱいでの、「株価横ばい圏での推移」を本線としたい。ちなみに、3月上昇局面での投機筋のポジションを振り返ってみると、原油買い&米国債売り、ユーロ買いのドル&円売りだったため、この動きが継続すれば、日本株にも追い風が吹きそうだ。
 こうした地合いのなか、やはり狙いは、マザーズ・ジャスダックの材料つき業績好調株だろう! 例年、6月の夏前にかけては、東証マザーズやジャスダックの売買代金が年間で一番盛り上がるシーズン。よって決算発表を終えた、業績&材料ともに揃っている小型株をみつけたならば、買いで入れば報われる可能性は高い。
 逆に相場に波乱があった際の下値の目途は、現在、最低線での日経平均株価の目安として、PER13.5倍×EPS1662円=22,437円と算出できるのは心強い。結論としては今週は、よっぽどのことがない限りは下方向に向かうことはないと考えている。
 ただ、9月の自民党総裁選を控える中で安倍首相の3選が確定し、「アベノミクス継続」とならない限り、日本株全体が大きく買われることもない、と一抹の不安が脳裏をよぎってもいる。もちろんこの考えについては、筆者の不安がめでたく外れ、売買代金3兆円に近づくような大商いでの指数上昇があった場合は、バカになって買い転換するのが正しい投資戦略だろう。次の売買代金を伴った指数上昇局面では、必ず現物株も買ってくるだろうから。
 もう1つ、米国で11月に中間選挙を控える中、不透明感から選挙前に株価が上がりづらい、というジンクスがあるようだ。過去5回を振り返ると、5月~9月にかけて平均-1%下落し、逆に10月~12月の平均リターンは+8%となっている。
 最後に備忘録を載せておく。決算が出揃った段階で、日米の今後の増益率に関するコンセンサスが、楽天証券からでたので紹介したい。米国は2018年前年比+29%、2019年+10%(※法人減税の剥落アリ)、日本は2018年前年比+5.6%増、2019年+8.4%増が見込まれているという。日本の会計年度では現在2019年度であるが、これとは違った区切りとなっているためわかりづらいが、日本の2019年の増益率が大きく上昇しているのに気が付くはずだ。日本企業の稼ぐ力は向上しており、この勢いは、2019年10月に予定される消費増税を経て、見えるところで2020年までは増益基調を維持する見通しというから心強い。
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2018.05.21

<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(677)自主規制ルール無視し、あの問題証券マンが再就職

 一般投資家が証券会社に口座開設するとき、多くの証券会社は過去5年間の信用照会をする。その5年間に反社会勢力に属していた、あるいは犯罪歴など何らかの問題があれば口座開設は認められない。
 一方、証券会社職員についても、同じく過去5年間に何らかの問題を起こしていればやはり口座開設できない。
 しかも、証券会社職員の場合、自身が問題の張本人ではなくても、例えば当時所属していた会社が不祥事を起こし、自分がたまたま取締役として在籍していたというだけでも口座開設を拒否されたケースもある。一般投資家以上に、厳しいのだ。
 さらに証券会社職員の場合は、在職中に問題を起こした場合、当然、最低でも自主退社となるが、その場合も同じく5年間は他の証券会社が雇わないことになっている。
 これらはあくまで証券業界の自主ルールによるもので、法的強制力はない。とはいえ、巨額の金銭を扱い、問題が起きれば瞬時に巨額の損失が出る鉄火場の業界だ。当然のことだろう。
 ところが、つい最近、問題を起こして自主退社を余儀なくされた証券マンを、ある証券会社は自主規制を破って雇ったものだから、業界内でどうして? と話題を呼んでいる。
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≪連載(83回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(5月21日~5月25日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週末の日経平均株価は、22,930円と先週比+172円で引けた。これでようやく2017年度の大納会終値の22,765円を越えたわけだ(※年初来高値は1月23日につけた24,129円)。ただ、金曜夜の米国市場はほぼ変わらずで引けたものの、為替が多少円高になった影響があり、土曜朝に日経平均CFDを見ると、22,818円と多少ヘコんで戻ってきている。そのなかで特に気になったのは、米国債券が買われて10年債利回りがダダ下がりになったこと。国債と株式は対の関係にあるため、イヤーな引け方をしたといえる。
 さて、暗い書き出しで始まってしまったが、今週の日経平均株価はどう動くだろうか? まず、2つの国際問題の現状分析から筆を進めたい。まず、一番気にかけておきたい「米中貿易摩擦」。一方的な米国の要請(強要?)で始まったこの問題は、現在のところ安易な決裂とは至らずに、中国側はうま~い譲歩誘導作戦をとって米国の要求をいなしている模様だ。いまのところ市場を揺るがすような悪い情報は落ちてきておらず、引き続き今週以降も、6月まで目を皿にようにして状況を注視していきたい。この問題は今週の株価推移に中立だ。
 2つめは6月12日に控える「米朝首脳会談」。北朝鮮の非核化に向けたロードマップ作りだ。この問題に関しては現在のところ、意外ともいえる進展をみせている。直近、北朝鮮側からダダっ子報道がなされたが、トランプ大統領はツイッターで「リビア方式の非核化は求めず」とツイートしており、金正恩の現政権の体制が守られることで、とりあえずは大きな進展が見込めそうな風向きである。これが地政学的に近い、日本株式市場に良い風を吹かせているようだ。
 次に日本株の実力とその評価について。現段階で各企業の決算が出揃い、2018年3月期の営業利益は前期比+14.69%増で着地したものの、2019年度会社予想は、前年同期比+1.47%増となっている。ただ、純利益は多少のマイナス予想。昨年度の実績EPSは1760円もの水準だったにもかかわらず、5月18日時点の日経平均の来期予想EPSは1643円。最後に決算を発表した金融メガバンク(特に三菱UFJ)の決算が閉口するくらい保守的であったのが影響した。ただ詳細をみると、2018年度決算は通期では良かったものの、4Qだけを切りだすと、前年同期比営業利益+8.6%増、と伸び率が鈍化している様子も明らかになっている。
 そこで、現在の日経平均株価の適正株価を算出したい。決算発表が一巡したので、しばらくここから予想EPSに変化が起こることはないので、よい機会だろう。これまでもことあるごとに記してきたが、アベノミクス以降の平均PERは14.9倍であり、過去、日経平均株価はPER13.5倍~16.3倍で推移してきた歴史から考えると、現在、最低線での日経平均株価は、1643円×13.5倍=22,181円と算出できる。2018年度4Qの決算で利益鈍化傾向が出てしまっている以上、まずは最低ラインをしっかり脳裏に刻みこんでおく必要がある。
 また、日本株の、今期予想EPSには「上値余地」があることも理解しておかなければならない。それは、日本企業の今期予想決算数字が、確実最低ラインだけを積み上げた堅い数字であることからだ。そしてもう1つ、為替水準がある。まだ、報道機関による日本企業全社の想定為替レートはでていないため、筆者の体感的な数字予想ではあるものの、ドル円で106円を少し下回る水準だと考えてほぼ間違いないだろう。すると1円の円安で+0.6%の利益の上方修正要因となるため、約3%の上澄みがあることになる。ようするに現時点では、2018年度決算数字よりも上のEPSを叩き出す試算だ。また米国のドルインデックス高の支援材料もある。
 テクニカル的に、ヘッジファンドなどの投機筋は、ドルの金利が上がる局面で「ドルを売って円を買う」というトレードを避ける傾向にある。これは、ドルを売り持ちするためには、ドルを借りてこなければならないから。高金利に向かっている最中のドルを借りる行為はリスクが高いのだ。よって為替で仕掛けるならば、超低金利の円を借りて、これを売って他の通貨を買うトレードが好まれるだろう。ここにきて日米金利差が効いてきているのだ! また、ドル円が先週15日に、200日移動平均線(※5/18日現在110.18円)を明確に上抜けたことは非常に大きい。FXではモメンタム(勢い)重視が鉄則なので、現状は、強い円安バイアスとなること請け合いだ。
 さて、今週のストラテジーに移りたい。今週予定されている各種イベントをみると、ここまで日経平均株価を押し上げてきた為替水準に大きな変動が起こることは考えづらいため、夏枯れを先取るような地合いとなる可能性が本線ではないだろうか!? ただここまで、為替が一気の円安になったため、多少弱含みとなるかもしれないが、大崩れすることも考えにくい。そんなまったり地合いで動意づくのは「マザーズ市場」だと感じている。その理由はテクニカルの項に後述しているので、ぜひお読みいただきたい。
 また、米中、米朝がらみの国際問題が紛糾した場合も、日経平均やNYダウが500ポイントを越える一気の下げとならなければ、これまでの経験則から問題ないと考えている。
 地合いは良くもなく悪くもなく、個別株勝負の地合いとなりそうだ。
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2018.05.19

≪連載(82回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(5月14日~5月18日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週末の日経平均株価は、22,758円と先週比+285円で引けた。5月に入ってからもみ合った22,500円処を抜けて、上に向いた形。
 これでようやく、2017年の大納会終値の22,765円まであと少しと迫ったわけだ(※年初来高値は1月23日につけた24,129円)。土曜朝に日経平均CFDを見ると、22,703円と多少弱くなり戻ってきたが、いったん上抜けした日経平均がすぐにヘタれるとは思えず、今週はまだ上を目指す可能性が高い。
 この原動力となったのは、日本の企業決算などではなく、米国の企業決算だろう。S&Pは先週まで(9割がた発表済み)に、EPSが前年同期比+24.5%増益と事前予想の18%増益を遥かに上まって着地し、ハイテクに絞ってみれば前年同期比+35.1%の増益と、たいへん力強い。もちろん、NYダウやナスダック市場などの株価上昇率は、日本株とは比較にならないほどの上昇をみせた。いまのところ、この米国の企業業績とそれを支える「景気」に後退懸念は見当たらず、日本株をメインで投資する筆者には心強いばかりだ。
 日本企業の企業決算に関しては、先週9日にトヨタの決算、ソフトバンクの決算があり、多少のブレが生じた。ソフトバンクは、2018年度1兆390億円もの純利益を叩き出したが、2019年度は日経報道によると3200億円となる見通しで、トヨタは18年度2兆4940億円の利益だったものが、2019年度は会社予想で2兆1200億円だと出た。
 この大型2社のマイナス影響はすさまじく両社合算で1兆930億円の減額になり、日本経済新聞の報道によると2019年度上場企業の純利益は2018年度30兆円だったものが→ 28兆円弱の3%減益になる見通しを報じている。
 ただ、為替はいまのところドル円で105円以下になっており、1円の円安で0.6%増益になる日本企業の事だから、3%程度の減益は、現時点のドル円(109円)で考えれば、トントンといったところとなる。その他には、現時点で2%程度の増益になる可能性を示唆している報道機関もある。
 さて、今週のストラテジーに移りたい。さっそく前稿では、「日経平均の累積売買代金は、2万2000円~2万2500円が49兆円だったのに対して、2万2500円~2万3000円のゾーンは84兆円もあり、1日当たり3兆円に届くような売買代金の増加がなければ戻り売りの勢いも強いとみたい」と記したが、2月5日の2万3000円どころからの暴落の勢いが、一気呵成だったこともあり、これだけ考えれば、この価格帯は真空地帯だと考えることもできる。NYダウの反転はまだ1週間程度のことでしかなく、日経平均株価も連れ高となる上値目線のシナリオを支持したい。ただ、毎年のことだが本決算終わりは、要警戒時期なのも確かだ。いったん業績材料が出尽くしとなるので、早々と折り込んだ株価は、材料難で下落しやすいセンシティブな時期となる。今週は米国のSQ週だということもあり、また2回目の米中貿易摩擦交渉が始まる可能性が高いときているので、これを両睨みしつつ、慎重に相場に向かっていきたい。
 上値の目途はもちろん2万3000円へのトライだが、ここまで上がるのなら、いったんリグいのできる買いポジションは手じまっておくのがよいだろう。というのも「テクニカルの項」で記すように米国のリスクプレミアム(RP)の問題がある。S&PはPER18倍までは現時点では伸ばせないとみている。相場の地合いをみるには5月SQ値である22,622円が、需給的な目途としてよいだろうか。これを下回れば弱いと考えて慎重に立ち回りたい。
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2018.05.07

≪連載(81回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(5月7日~5月11日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 前回の本稿で、「GW前の4/23~5/2までの見通しはたいへん明るいものになる!」と宣言した通りに、筆者は大型株中心に、買いポジションMAXで相場に臨み、不安に駆られながらもポジションを落とさなかった。その結果は日経平均株価が22,162円(4/20引け値)→ 22,473円(5/2引け値)の+311円高で、+1.4%で着地。筆者の資産はというと、この間+4.4%と日経平均株価をアウトパフォーマンスすることができ、たいへん満足のいくものだった。
 途中、「三菱UFJ(8306)」、「オハラ(5218)」が大きな上昇を開始したのをみて大歓喜した(※その後へこんだ…)が、この2銘柄は短期で売るつもりはなく、まぁ良し、としよう。信越化学の決算をみて、うまいこと「SUMCO(3436)」のデイトレも成功したことも大きかった。
ただ、事ここに至るまで、NYダウの軟調さと、これに反比例するような日経平均株価の堅調さが目立ち、たいへん難しい地合いだったといえる。とくに4/24(火)には、NYダウが寄付きから-751ドル安があっての-425ドルで引け、翌朝には真剣に保有株を投げ売りすべき局面なのかどうか思案した。
 しかしなんと翌日の日経平均株価は-159円安と寄付いてからも堅調で、引け値は-63円安となり、ホッと胸をなで下ろしたが「これを単純に円安効果だけで片づけてよいのか? ここから本格調整がくる可能性はないか?」と悩みに悩み抜いた。ただ筆者の不安をよそに、その後のNYダウは、とくに5月に入ってからは大きな下ヒゲがでるような軟調推移が目立つも、日経平均は相対的に堅調といえる推移となり、先週5/4(金)の「雇用統計」を迎えたわけだ。そしてその雇用統計は、心臓に悪いくらいの大波乱を呼んだ。
 とはいっても、この雇用統計ででてきた経済指標に特段のバットサプライズがあったわけではない。失業率が3.9%と改善し、平均時給(前月比)は、予想+0.2%だったものが+0.1%とでて「やっぱりインフレ傾向になってないじゃないの…」、といったぐらいだろうか。ただ、この大イベントを肴にして、為替も巻き込んだドンパチをしたかった向きがいたとみえて、ドル円は108.64円と、鉄壁だった109円を割り込んでしまい日経平均CFDは22,158円と大幅に下落し、一時5/2(水)の引け値から-315円となった。
 さて、ここで今週のストラテジーに移りたい。ここまで、前2週間の推移を振り返ってきたのは、今週がいかに安心して投資できる週なのかを解説するためである。
 先週金曜のNYダウは、前述したように雇用統計で大波乱はあったものの、大物投資家バフェット氏のアップル株大量保有宣言もあり、引けにかけてぐんぐん指数を伸ばして+332ドル高で引けている。ここまで散々下ひげを出してきたNYダウが、ここにきて大陽線になったという事実は大きい。残念ながら、5/2(水)にドル円で110円に迫った為替が、5/4(金)には109.12円までへたってしまったので、日経平均CFDは22,459円と5/2(水)比で小幅なマイナスとなっているが、筆者の見立て通りなら、おそらく週明け5/7(月)の寄付きは、22,500円ぐらいまでギャップアップして始まってもおかしくないだろう。
 今週は、10日(木)に、米国の重要経済指標である「消費者物価CPI」がでるが、これさえ波乱を呼ばなければ、11日(金)の日本のオプションSQに向けて上に向かうのが自然な流れだとみる。ただ、日経平均の累積売買代金は、2万2000円~2万2500円が49兆円だったのに対して、2万2500円~2万3000円のゾーンは84兆円もあり、1日当たり3兆円に届くような売買代金の増加がなければ戻り売りの勢いも強いとみたい。
 逆に懸念点は、やっぱりNYダウ。日経平均株価に比べて弱い推移をするNYダウというのはあまり記憶にないことで、米国の経済情報だけは丹念に拾っていきたいものだ。また先週は、NYダウの200日線の攻防が大きな話題となった。現在はこのラインが23,623ドルであり、再度23,700ドルを下回るようなクラッシュがきた場合は撤退したほうが無難だと考えている。これまでの安値は4/2の23,344ドルである。
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2018.04.23

<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(674)「クレアHD」、急動意の背景

 赤字継続で「疑義注記」のボロ株、住宅リフォームなどの「クレアホールディングス」(1757。東証2部。東京都港区)が昨年5月19日、第三者割当で7億7500万円を調達(転換価格は35円)。その引き受け相手があの疑惑の松林克美だったことは、本編アクセスジャーナル既報の通り。その償還期限は1年後の今年5月18日だ。
 つまり、クレアとしては来月18日までに出来高を伴って株価を引き上げなければ7億7500万円を用意しないといけなかったわけだ。
 この資金手当てもあってのことなのか、否、株価を上げる材料としてだったのか、ともかく4月6日に新たに第三者割当が発表され(1株25円)、2億3000万円が本日払い込みされた。
 ちなみに、今回増資の3分の1は、あの話題の脱毛サロン最大手「ミュゼプラチナム」を「RVH」に売却した高橋仁氏が代表の美容関連コンサル会社。
 こうしたなか、クレアの株価は先週突如出来高を伴って急騰、4月19日には46円まで上昇、出来高も3125万株と大商い。
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≪連載(80回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(4月23日~4月27日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
「我が国に対する核の威嚇がない限り、核兵器を絶対に使用しない」ーー4月20日の米国市場が引けてから伝わってきた、北朝鮮・金正恩総書記の声明は、週明けの日本株式市場においてかなりのプラス材料になるだろう。
 こう申し上げるのも当然で、これは為替に相当効くことが予想されるのだ。すでにドル円は、これまで本稿のテクニカルの項で紹介しているように、3月26日に投機筋の円の買い戻しが進んだことから104.64円まで円高となって以降は堅調推移となり、現在は107.59円まで回復している。ここからは4月13日につけた、直近の高値107.78円を越えることができれば、75日線である107.95円は指呼の先となる。そして、ここまで戻れば、これから日本企業決算が本格化するなかで、控えめな業績見通しが示されたとしても、「悪材料出尽くし」で反発基調が鮮明になること請け合いだろう。
 その日本企業の2019年度業績予測は、大手証券アナリスト予想では、為替105円だとしても前期比9%増益となっている。少しずつ日本企業の稼ぎ出す利益が、上方修正されてきたイメージだ。
 そして日本以上に決算が良好なのは米国企業。現時点で発表している企業の約8割が市場予想を上回る決算となり、1Q段階で前年同期比+28.7%の増益だというから驚く。業種別ではITが+48.2%の増益、金融も+28.7%増益である。これを法人減税効果と侮るなかれ。2018年度通期でも+26.5%増益予想で、2019年度も+10.5%の増益が見込まれる状況なのだ。さすがに決算シーズン入りした米国市場でこの業績が発表されれば、米国株がヘタルような事態は考えにくく、相関性の強い日本株も堅調となることが予想される。世界の企業業績も2017年度は、純利益ベースで4兆ドルを稼ぎ出し3年ぶりに過去最高を記録している。
 今後、米国や欧州が利上げに向かい、日本もいずれは量的緩和政策を変更し、正常化に向かわざるを得ないのは確かで、ここからさらに好景気・好業績を期待するのは無理筋だが、現在の株価は景気後退を完全に織り込んで下落してしまっている状態。ここから株価の戻りが大きいのは当たり前だと考えるのが自然。さて、それでは今週の株式市場はどう動くか!?今週のストラテジーにうつりたい。
 日経平均株価は先週、一番高いところを推移する移動平均線(75日線)の攻防に屈っしたが、前述したように為替の援軍が入ることが予想され、週明けの75日線である22,219円を突破して、GWまで「驀進ロード」となるのがメインシナリオだ。このまま2月27日につけた、戻り高値である22,390円(※高値22,502円)を目指すのが基本路線だろう。幸い? 直近の3ヶ月間でがっつり調整をしたので、ここから波乱は起こりにくい。
 こう考えられる根拠は3つある。1つは日経平均のEPSだ。現時点で1707円だが、これから5月中旬にかけて決算が進むにつれ1800円近辺まで上昇する可能性が極めて高いとみている。3Qまでの進捗率は82%とすでに上方修正含みであり、また期末に利益を伸ばす業態が多いことからも、易々達成できるだろう。企業による来期の業績予想は、どれほど慎重にでてきたとしても2018年度決算でEPS1800円まで出ていれば、仮にトントン予測だとしても、株価はこれを織り込みに行く動きとなる。現時点のPER13倍並みの評価でもEPSが1800円ならば、日経平均株価は23,400円となり、仮に世界的に先行きの景気拡大ペースが鈍る観測がでたとしても、PER14倍はじゅうぶん期待できるところ。14倍なら日経平均株価は25,200円となる。というのもアベノミクス以降の平均PERは14.9倍であり、過去、日経平均株価はPER13.5倍~16.3倍で推移してきた歴史から考えると、平時に戻ればいいだけの計算だ。現在が、いかに割安水準なのかがはっきりしているのではないだろうか。
 また2つめの根拠として、裁定買い残が順調に増えてきたことを挙げたい。テクニカルの項で後述しているが、裁定売り残は一気の減少がみてとれ、これもここからの相場見通しを「強気」にするのにじゅうぶんな根拠となる。
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