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2017.06.16

共謀罪が強行成立ー捜査機関による「弱い者イジメ」の監視社会へ

 6月15日朝、ついに共謀罪(組織犯罪処罰法改正案)が強行採決された。加計学園問題で、文科省への圧力文書(「総理の意向」)が暴露され、文書の存在を認めるしかなくなった安倍政権。「これ以上会期を延長すれば、政権がもたない」がゆえに、法務委員会採決をすっ飛ばし、直ちに参院本会議で採決する暴挙をおこなった。
 共謀罪の捜査対象は「組織的犯罪集団」に限定すると言っておきながら、「一般人も対象になる」「市民団体が組織的犯罪集団に一変することもある」と曖昧に。「準備行為」とは何を指すのかの問いには、「花見と下見の違い」を例に出したものの、一層「準備行為」とは何か不明確に、など金田勝年法相の答弁は混迷を深めた。世論調査で「政府の説明が十分だと思わない」との回答が77.2%に達したのも頷ける(共同通信、5月22日の調査)。
 強行採決が近い、との報道を受け、14日夕方から国会周辺に多くの市民が集まり、「内心の自由を奪う共謀罪反対」「LINEもできない共謀罪」などのプラカードや横断幕を掲げ、抗議の声を上げた。
 国会正門前では「未来のための公共」(旧シールズ)など若者層が約5500人集まり、深夜まで抗議。参議院議員会館前では、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委」など無数の労働・市民団体が結集。野党議員も姿を見せ、「『中間報告』で本会議採決とは、法務委はいらないという国会軽視。あらゆる手段で採決を阻止する」(民進党・大串博志議員)、「共謀罪は憲法を破壊し、思想・良心の自由を侵す、悪法の最たるもの」(社民党・照屋寛徳議員)と決意を語った。
 0時を過ぎても数百の市民はその場に座り込み、夜通し抗議行動を行なったが、そのなかには12日午後からハンガーストライキを続行する「破防法・組対法」メンバー3人の姿もあった。
 野党提出の内閣不信任案が否決された後、3時には山本太郎議員(自由党)が姿を見せ、「公明党=創価学会は、戦前、治安維持法で弾圧された。それを反省して、今は政権側に立ち、共謀罪で弾圧する側にまわったのか」と、公明党を痛烈に批判。
 そして7時10分から共謀罪の記名採決が始まると、座り込みをしていた市民が一斉に立ち上がり、「強行採決を許さないぞ」「野党はがんばれ」と声を枯らした。採決に当たっては、糸数慶子、木戸口英司、山本太郎、青木愛、福島みずほ、森ゆうこ、又市征治の7議員が“牛歩戦術”を駆使したが、同46分、共謀罪は成立した。
 共謀罪の成立で、市民社会に対する捜査機関の監視が一定、強まることは政権自身も否定できまい。だからこそ金田法相も「恣意的な捜査は絶対にあってはいけない」(金田法相。成立後の記者会見で)と述べている。しかし、政権中枢の意向を受けて、警察が「恣意的な捜査」をすることはすでに常態化していると言えよう。この間、本紙も取り上げてきた、中村格氏(警察庁刑事局組織犯罪対策部長)の「レイプ事件もみ消し」など政権中枢を忖度したとしか思えない疑惑は、その一端に過ぎない(ちなみに共謀罪施行後は、中村氏は共謀罪捜査を統括する立場になる)。
 共謀罪の成立によって監視社会が到来したとしても、逆に「権力の監視」をモットーとするジャーナリズムの鉄則に沿って、本紙もまた萎縮することなく報道活動を続けていく。
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