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2016.03.18

<書評>『国防政策が生んだ沖縄基地マフィア』(平井康嗣・野中大樹共著。七つ森書館)

「普天間基地の代替施設」として名護市辺野古沖に建設予定の米海上基地建設は、国と県の「和解」で再び膠着状態となっている。1997年の日米政府間の合意から始まるこの基地移設問題、実に20年近く経っても進展していない。
 言うまでもなく、翁長雄志沖縄県知事を先頭に、県民が「これ以上、基地はつくらせない!」と“オール沖縄”でまとまったことが基地建設を止めている大きな理由。だが、ここに至るまでの紆余曲折には、沖縄内部の“基地マフィア”の存在があったことは余り知られていない。
 本書は、その沖縄基地マフィアの実態を、内部告発や関係者の取材から浮かび上がらせている。
 まず焦点となるのが、06年に基地推進派の島袋吉和氏が名護市長に当選して以後、新基地の規模や工法が浅瀬案、沿岸案、L字案、V字案とめまぐるしく迷走していた時期。実はこの迷走は、海の埋め立てに伴う土砂利権を少しでも得ようとする“基地マフィア”と政府との間で、熾烈な駆け引きが起こっていたから。当時の防衛庁事務畑トップの守屋武昌・事務次官が更迭されたのもこの時期だ。内閣の官房機密費がどう使われたのか衝撃の証言もある。
 14年の名護市長選では、基地推進派の候補が真っ二つに分かれた。前市長の島袋氏と、元県議の末松文信氏だ。この混乱の背後にも、“基地マフィア”の暗躍と、そして誤算があった。結局、末松候補に一本化したが、市長選は基地反対派の稲嶺進氏の勝利に終わる。
 本書で言うマフィアとは、「政策に大きな影響力を持つ密室性の高いインナーサークルや交渉責任者そのもの」を指す。「旧日本軍海軍出身らしい比嘉鉄也氏(元名護市長)の重しのある政治手腕、県建設業界副会長で県防衛協会北部支部長でもあった仲泊(弘次)氏の卓越した指揮力、県商工会会長を務めた荻堂(盛秀)氏の経済界への睨み。沖縄北部にこうした基地マフィアが存在しなければ、あるいは普天間の移設先候補にも名護は上がらなかったかもしれない」(本書より)。
“マフィア”の実名が上げられており、沖縄側も実際は一筋縄では行かず、時には政府も彼らに翻弄されて来たことが読み取れる。
 昨年10月、安倍政権は名護市の頭越しに、直接地元の久辺3区に基地交付金をバラ撒く方針を打ち出した。こうした自民党の政治手法こそが、“基地マフィア”を生み出す元凶なのだ。
 なお、本書で集中して登場する仲泊氏(建設会社「東開発」会長)については、本紙もかつて08年の記事で“地元フィクサー”として取り上げたことがある。
(本体1800円+税)
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