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2009.11.05

<心声天語>(159)魚の運命

週末、デパート地下の食料品売り場に立ち寄った。食料品を売ってもさすがに“百貨店”、普段見慣れている食材でも百貨店のセンスで陳列されているとなぜか、 “美味しそう”に感じる。お魚屋の陳列ケースをのぞいた。いろんな魚がある。ところが、国産魚と輸入魚の値段には、相当なひらきがある◆海で泳いでいる魚に「国籍」は、存在しない。日本人の好きな本マグロは、台湾近海で生まれ、日本近海で1年ほど過ごした後、太平洋を周回するうち世界各地で捕獲され、それが日本に輸入される。しかし、輸入品は「外国産」として“見下され”、値段も安い◆「うなぎの蒲焼」があった。台湾産は国産の半値近い値段だ。大きさも形も同じ、味もそう違わないだろうに。うなぎの産卵地は日本からはるか2千㌔も離れたグアム島付近、卵からかえった「稚魚」を捕獲し、養殖する。日本産も台湾産も元は、同じ稚魚である◆深夜の百貨店、台湾産のうなぎが隣の日本産に話しかけていた。『もしやお前は…やっぱり!』。『おお!覚えているとも、同じ親から生まれた兄弟、忘れるはずがない』。『俺は南洋を北上しているうち台湾漁船に捕獲され、このざまよ』『俺は日本の漁船に捕えられ、浜名湖で育てられた』。『それにしてもお前、いい値段つけてもらったな。俺も日本に向かっていたらよかった…』◆うなぎの横で二匹の「ふぐ」が泣いていた。『おっかさん!』『玄界灘で離別してからというもの、母はどんなに心配したことか』『俺はおっかさんと別れた後、韓国の漁船に捕えられ、そして日本に売られた』『かあさんは下関の漁船に捕獲され…』。引き裂かれた親子のふぐが日本の「デパ地下」で、再会したのである。魚の運命も、どこの国の漁船に捕獲されるかで、決まるようだ。(和光)
 2009年11月5日掲載。この記事の続きを見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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