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2009.06.18

<心声天語>(125)子を「自供させた」母の言葉

「吉展ちゃん事件」は、昭和の犯罪史において忘れることのできない事件である。1963年、台東区に住む村越繁さんの長男・吉展ちゃん(四歳)が行方不明になった。二日後、犯人から身代金五十万円を要求する電話があり、営利誘拐事件と判明した◆この事件を題材にしたノンフィクションが文藝春秋読者賞、講談社出版文化賞を受賞。NHKで放送された『ついに帰らなかった吉展ちゃん』は、ワイドニュースの視聴率日本記録(59.0%)をつくるなど、日本中の関心が注がれた◆捜査本部は、吉展ちゃんのチラシを全国に配布、脅追電話から割り出した「東北ナマリの中年男」の“声”をラジオ・TVで流すなど、大々的な捜査を展開した。すると、「東北ナマリ」から小原保(32歳)が容疑線上に浮かんだ。だが、物的証拠も自供もなく、嘘のアリバイを崩すこともできない。捜査陣は、自供だけが解決の鍵、として捜査を強行した◆小原の取調べにあたったのは、名刑事といわれた「平塚八兵衛」であった。平塚は、頑なに口を閉ざす小原の、“心のひだ”に目を向け、小原の母を訪ねた。母は、『あの子がもし犯人だとしたら、どうか真実を語らせてください~この母の言葉をあの子に伝えてください』、と平塚に頼んだ◆小原にとって、自分が犯した罪の大きさよりも、自分が犯人であると知った時の、母の悲しみの方がより、重大であったのだろう。「母のために自供してはならない…」と決心した小原ではあったが、平塚から伝え聞いた母の言葉に、すべてを自供したのである◆最高裁で死刑が確定した小原は、死刑が執行される日、『これで、母が言っていた“真人間”、になって死んでいけます』と語ったという。享年38歳であった。(和光)
 2009年6月18日掲載。この記事の続きを見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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