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2008.12.15

<心声天語> (75)「三者一両の損」

「金銭」にまつわる争いは、解決が容易ではない。とくに、自分の「損得」に関係する場合、訴訟か、あるいは「事件」にまで発展したりする。松下電器の創業者である松下幸之助氏は、常々、「三者一両の損」という話をしていた◆ある日、正直者の男が三両を落とした。男の後ろを歩いていた人がそれを拾って男に渡そうとすると、落としたことに気づいていない男は、「金を落とした憶えがない」と言って受け取らない。金を拾った男も正直者で「拾った金だから俺のではない」と、二人は言い争いをはじめた◆お互い「俺の金ではない」と譲らない。そこで二人は、奉行所に届けることにした。二人から経緯を聞いた奉行は、自分の懐から一両を出して「4両」にし、それを「2両」に分けて渡した。すると二人は、納得して帰った◆自分に一両を足して4両にした奉行は、二人に「ここに四両ある。これを二両ずつ分けたら両者同じ額だ。して、お前は三両を落として二両が戻ったから一両の損。お前は三両を拾って二両しかもらえないので一両の損。私は、頭のいたい問題を解決するため一両の損。三者みな一両の損」と話したのである◆本当の知恵とは、自分のことより相手のことを考えることで芽生えるもの、そしてその知恵も、器量なくしては生かされないものである。この奉行の知恵は、自分の懐から一両出した機転にあるのではなく、「三者一両の損」と解釈した価値観にある◆今の世の中、正直で善人たちが繰り広げた「三者一両の損」は、自分の「利」しか考えない人には解せない話でもあろう。(和光)
2008年12月15日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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民主主義の成立過程では、被支配階級が力を合わせて支配階級の専横に対抗した戦いがあったことを述べたが、支配階級の圧制を逃れたから、国民一般が直ぐに平等の生活を手に入れたのではなく、新たな支配層としての資本家に対する労働者の戦いがやはり長い間繰り返され、労働者の権利を認める制度が作られて、資本家と労働者の力の均衡の元で、民主制度が機能し始めたのだと私は理解している。もちろん国民の大多数は労働者である。 それでは現状はどうかといえば、「主体的な国民の存在が日本に活力を与える」でも述べたが非正規雇用の労働... [続きを読む]

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