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2008.10.30

<心声天語> (62)「ある銀行強盗の晩年」   

一九六三年、英国で郵便列車が襲われ現金二百六十万ポンド(当時約二十六億円)が奪われた。同事件は映画にもなった。強盗団の一員、ロナルド・ビックスという男は一度逮捕されるが刑務所から脱獄、ブラジルに逃亡した◆英国とブラジルの間に「犯人引渡協定」はない。使い切れない大金を手にしたロナルド・ビックスは、王様のような生活を送った。ところが、いつしか金も底をつき、健康も悪化した。そこで彼は、刑務所に収監されるのを覚悟で英国に自首することを決意、三十数年ぶりに英国の土を踏んだ◆2002年、受刑者の身分となったロナルド・ビックスは、ロンドンの刑務所で結婚式をあげた。相手は、逃亡先のブラジルで恋仲になった元ダンサーのライムダンダ・ローテンさん(五十四)。二人の間に生まれた二十七歳の息子と二歳の孫娘も結婚式に同席した。ロナルド・ビックスは、脳卒中の発作で体調を崩し、式の間も座ったままだった◆八十近い元銀行強盗には、三十年の刑期は終身刑と同じである。それでも、彼は結婚に固執した。ロナルド・ビックスに四回プロポーズされた新婦のライムンダさんは、「かつての恋人の死期が近いと感じたから」として結婚に同意した。彼女は式後「とてもうれしい」と夫を抱きしめた◆ロナルド・ビックスは、刑務所で初めて、金でも買うことのできない心の安らぎ、幸せを手に入れた。でも、もう遅い。彼には気の毒だが、金よりも大切なものに気付かなかった若き日の過ちが、哀れな老後を生きなければならない運命をつくったのである。(和光) 2008年10月30日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナル


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