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2008.10.09

<心声天語> (58)「銀座」

日本で一番有名な地名は、「銀座」だ。地方に行くと「○○銀座」なる地名がある。これも、銀座の知名が全国に拡がったからだ。銀座は、徳川幕府において銀貨の鋳造が行われ、この場所以外での貨幣鋳造が厳しく取り締まられたことから「銀・座」という名が付けられた◆日本の名店、世界のブランド店が軒を連ねる銀座には、「夜の銀座」というもうひとつの顔がある。銀座の飲み屋街…いや“飲み屋”という表現が通用しない華やかな世界には、連日、政治家から芸能人、事業家など、なにかしの余裕を振りかざす男たちが、快楽を求めてやってくる◆夜の銀座を支える「ホステスさん」たち。昔は、彼女たちを「水商売の女」と呼んでいた。負の運命に流された女性たちの、最後の選択が「水商売」であった時代、貞操や純潔が命よりも尊きものと信じられていた。しかし、今では、OLや女子大生までがアルバイト感覚で夜の銀座に集まっている◆午後7時半過ぎ、美しく着飾った女性たちが「銀座の女の表情」で出勤する。年も二十代から五十代…ときたま、十代も見かける。夜の銀座が夜の総本山として君臨しているのも、「銀座」の名に恥じない容姿端麗な女性たちが日本中から集まっているからだろう◆銀座の夜に舞っている女性の中には、人にいえない事情を背負った女性も少なくない…彼女たちは、お金に蝕まれ、男たちの欲望と虚像に接していくうち、自分の価値を「おんなの価値」に置き換える知恵を身につけていく。「銀座」が一流であり続けている裏には、一流ゆえに集まる人たちと、一流に群がる人たちの、空しくも、虚しいドラマが存在している。(和光)
2008年10月9日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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