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2008.07.10

<心声天語>(32)喜びと苦しみ

昔ある国に、国一番の富豪がいた。恵まれた家系で生まれ育った富豪は、日々の代わり映えしない生活に飽き、何をしても楽しいとは思わなかった。そればかりか、本当の喜びがどんなものであるかさえ、知らなかった。そこで富豪は、「私を喜ばせた者には、一生食べていけるだけの財産を与える」と、国中に知らせた◆国中の人たちは、富者の喜びそうなものを探しはじめた。絶世の美女を連れてくる者、珍味・珍獣を持ってくる者…あらゆるものが披露された。しかし、幼い時から贅沢三昧の生活をしてきた富豪にとっては、そのどれもが過去に体験した「当たり前」でしかなかった◆富豪の召使いにひとりの知恵者がいた。召使いは、富豪が可愛がっていた愛犬を実家に隠し、「大変なことになりましたご主人様、愛犬がいなくなりました」と報告した。召使いの報告にショックを受けた富豪は、悲しみにくれ、寝込んでしまった◆二週間が過ぎた。しかし愛犬は見つからない。そんな昼下がり、召使いが飛んできて、「ご主人様、愛犬が見つかりました」と言って愛犬を差し出した。富豪は、泣きながら愛犬を抱きしめ、「生涯でこんな嬉しいことは初めてだ!」と叫び、愛犬が戻ってきた喜びを分かち合おうと蔵を開放し、大量の食料を国中の人に配ったという◆富豪の喜びは、愛犬がいなくなったことでもたらされたものだ。同じように、失ったものが戻ってきた時の喜びは、「失う」という体験を経なければ芽生えてこないものだ。人生という舞台では、喜びと苦しみは表裏一体で映し出される…幸せや感謝の度合いも、辛さや苦しみに比例しているのである。(和光)
※このコラムは前身の『ストレイ・ドック』で一度、掲載されたものが、好評につき、一部手直しし、再度、掲載しました
2008年7月10日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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