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2008.06.23

<連載コラム>心声天語(27)飢饉のアフリカで…     

週末に、近くのスーパーに行った。果物や野菜、生鮮品…お金さえあれば何でも手に入る。スーパーの活気からは、日本の豊かさが伝わってきた。スーパーの食料品を見ているうち、ピュリッター賞候補にもなったジャック・ケリー氏のコラムを思い出した。東アフリカを取材した時のコラムである◆貧困と飢饉のアフリカ、ある村では全員が死亡していた。衣服にも肌にも染み付いた死臭は、洗っても落ちなかった。少年と出会ったのは、そんな時であった。少年の腹は、栄養失調と寄生虫のために大きく膨れ、肌は老人のようであった◆ケリー氏に同行したカメラマンがカバンからグレープ・フルーツを取り出し、少年に与えた。ところが、少年は、グレープ・フルーツを持つ力さえ、なかった。カメラマンは、グレープ・フルーツを細かく切り刻んでから、少年にあげた◆グレープ・フルーツを受け取った少年は、礼を言うような表情でカメラマンを見つめた後、村の方に歩み出した。村の入り口にある木の下に、小さな男の子が倒れていた。少年の弟であった。弟の目は、光を失い、死んでいるように見えた。少年は弟のそばにひざまずき、グレープ・フルーツの一切れを自分の口で噛み砕き、それを弟の口に入れ、弟のあごを上下に動かしていた。彼は二週間も前から弟のためにそのような行為を繰り返していた◆少年は数日後、栄養失調のために死んでしまった。弟は、命をとりとめた。この少年は、貧しい地に生まれ、野草よりもはかない人生を生き、逝ってしまったが、自分よりも弟を…他人を愛する心と愛は忘れなかった。スーパーに並ぶ豊富な食品が、虚しく感じられる一日であった。(和光)
2008年6月23日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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