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2008.05.25

<連載コラム>心声天語(19)過去を掲げる人たち 

初対面の人に会った時、いろんな角度から相手を観察する。もちろん、相手には観察していることを気付かれないように、である。また相手も、自分の印象を少しでもよくみせようと言葉遣いや礼に細心の配慮を施す。そしてそれが、信用するに足る人かどうかの判断基準となる◆仕事関係で会った場合、『元○○にいました』と、過去の経歴、肩書きを掲げる人が少なくない。その「元○○」が、誰もが知っている超一流企業や官僚クラスなら信頼の度合いも一気にあがる。「元ト○タ自動車」「元野○証券」ならば効き目も絶対的である◆日本という国は、内容より「看板」に重きをおく。当人は無能でも祖父が「元総理大臣」なら自分も総理大臣になれる国、なのである。能力や可能性を学歴や経歴でしか量ろうとしない社会…看板や肩書きがなければ機会が与えられない社会だからこそ、過去の「元○○」を掲げる人たちが後を絶たないのだろう◆多くの人たちが「元○○」に群がる。こうした現象は、質を見ずして形で判断しようとするからである。しかし、世の中、「元○○」で通用するほど甘くない。なるほど過去のキャリアは大切である。でも過去の輝きは、過ぎ去った記憶の中にしか存在しない◆過去をもって明日を開かろうとしてはいけない。「元○○」を掲げ続ける限り、明日はやってこない。偉業を成し遂げた人たちは、過去に囚われることなく明日を信じることで挑んだ人たちである。新しい出会いは…新たなチャンスは「元○○」を掲げることでもたらされるのではなく、汗と信念に裏打ちされた《今の現実の真実》からもたらされることを忘れてはならない。(和光) 
2008年5月26日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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