<日々歳々>(21)
日本時間の6日午前8時27分、秋篠宮妃紀子さまは男の子を出産した。おめでたいニュースだ。男子皇族の誕生は約41年ぶり、天皇陛下の孫の世代では初めての男子となる。皇位継承順位は、皇太子さま、秋篠宮さまに
次いで第3位となる◆日本の男子皇族の誕生を世界中のマスコミが速報で伝えた。米CNNテレビは5日午後8時(米時間)前に速報。東京特派員の女性キャスターが「イッツ・ア・ボーイ(男の子です)」と伝え、英BBCテレビも「日本皇室に41年ぶりに男児誕生」と、トップで伝えた◆政府の有識者会議は、皇位継承者を男系男子に定めた皇室典範について、女性・女系天皇も容認する報告書をまとめたが、今回の懐妊で、政府は国会への提出を見送った経緯がある◆同じ日の朝、アジアの情報マガジンに小さな記事が掲載されていた。記事は、8月20日にインドのニューデリーで11歳の女の子が売春容疑で保護された内容であった。少女の名は「スージン」。生まれて三日後に寺院の前に捨てられた彼女は、簡易タクシーの運転手によって拾われた◆少女は、5歳まで養父母に育てられた。その後、孤児などを集めて観光客相手に金銭を乞うシンジケートに百ドルで売られ、7歳頃から少女マニアの男たちに玩ばれるようになった◆世界中の関心が注がれる祝福された運命。片や、親の存在も知らない少女…人間の運命は生まれ乍らにして決まるのだろうか…、今こうしている間にも、それぞれの運命を背負った子どもたちが世界各地で生まれている。平等という文字が虚しく響く朝だった。