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2005.06.11

裁判官出身市長、公選法違反容疑に答えず

●今年4月、山陽小野田市(山口県)の市長に当選

 公選法違反(買収)容疑は数あれど、そうまでして当選させようとした候補者が「裁判官出身」というのはひじょうにめずらしいだろう。
 2 当選した白井博文氏(67)は、裁判官歴35年というまさにその道のプロ。
 九州大学を卒業し、68年裁判官に任官。翌年、JR博多駅において三派全学連約300名の部隊に機動隊が暴行したとする特別公務員暴行陵虐事件関し、その事実を検証するため、提出を拒むマスコミに対し命令を求めた「博多駅フィルム提出命令事件」、阪神大震災による地震免責を求めて自宅火災の保険金支払いを拒む生保の言い分を退けたり、医療過誤事件でも被害者側の言い分をよく聞くなど、裁判官としての評価はかなり高かったようだ。大阪地裁、高裁で判事を務めた。02年退官。その後、弁護士事務所を開設、摂南大学(大阪府寝屋川市)の法学部教授も務めていた。
 そして、町村合併にともなう今回選挙では、旧小野田市市議18年の実績と旧市長の後継をアピールした対抗馬に、ちょうど倍の約2万3000票を集めて当選。有権者は行政の継続より、刷新を望んだようだ。
 2005年6月11日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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記者クラブ制度を考える訴訟で寺澤有氏、「この制度は世界の非常識。情報カルテル」と喝破

●韓国では記者クラブ制度が廃止に 

 6月8日、東京地裁において、「記者クラブ制度を考える訴訟」の原告である、フリーライター仲間・寺澤有氏の証人喚問があり、同氏は具体例を上げ、同制度がいかに時代遅れであり、また、国民に真実を知らせる上で逆に障害にさえなっているか、生々しい証言を行った。
 例えば、寺澤氏は過去、「日本外国特派員協会」で朝日新聞OB2人、NHKOB1人と記者クラブ制度についてシンポジウムを行ったことがあるが、その席で見学者から「情報カルテルではないか!?」と指摘され、その法的根拠を問われたが、NHKOBは「根拠はない」、他のメンバーはただ首をかしげるばかりだったという。
 3 また、『フォーブス』アジア太平洋支局長のべンジャミン・フルフォード氏が単行本『日本マスコミ「臆病」の構造』(04年。宝島社)を執筆するにあたり、取材を受けた事があると紹介。そのフルフォード氏は、前出のシンポジウム、同じく、同協会で行った武富士問題のシンポ(本紙・山岡も参加)も取材する等、なおさら我が国の記者クラブ制度をよく知るが、その同氏をして、「記者クラブ制度があるから真実が伝えられない!」と言わしめているとも明かした。
 さらに寺澤氏は、これら主張は決して希なケースではなく、自分は英国、フランス、ドイツ、韓国などの記者から、これまで記者クラブ制度に関して数十回も取材を受けているが、皆、一様に「記者クラブ制度はおかしい」と言っているとも述べた。
 なかでも注目されるのが韓国。
 03年2月、盧武鉉政権発足後、「記者クラブ制度は日本の植民地時代の遺物」として、現在、同国では記者クラブは無くなっていると証言した。
 一方、わが国の記者クラブ制度については、少なくとも東京地裁の司法記者クラブにおいては、自身、89年ごろからのべ数百回、同クラブで開かれる記者会見に出ており、そこでクラブ所属記者から不当な扱いを受けたことはないとし、マスコミ側より、むしろ裁判所の方がクラブ所属記者以外のマスコミに対応するのを嫌がっているのでないかと主張した。
 さらに、弁護人に、わが国で取材活動している外国人記者も、記者クラブに所属していない(できない)が、クラブで行われる記者会見等で不当な扱いを受けていないかと問われ、少なくとも、「日本外国特派員協会」に加盟している記者については、外務省から「身分証」が交付されており、それがあれば各クラブの記者会見等に自由に出れると語り、「もっとも我が国で取材で差別を受けているのはフリーライターだ」と訴えた。
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2005.06.10

パシコン・荒木民生代表の疑惑(12) ODA不正請求、まったく架空の企業まで存在

●エクアドルの事業について

 5  これまでに判明しているパシコンの海外事部門をつかさどる「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)の国際協力機構(JICA)が発注するODA不正は、下請けに出した企業に水増し請求させ、その一部をキックバックさせるかたちだったと思われる。
 ところが、「読売新聞」の本日夕刊(左)によれば、JICAの調べで、水増し請求どころか、その水増し請求した(させた)企業自体がそもそも存在しないケースもあることが明らかになったという。 ここまで来ると、その犯行はより悪質で、なおさら弁解の余地無しだ。
 しかも、コスタリカ向け分については、現地企業がPCIから仕事を受注したことはないと答えているケースもあり、今後、実在する企業でも、請求自体がまったくのデッチ上げだったことが判明するかも知れない。
 
●国際協力銀行のPCI分調査はいつ判明するのか? 

 ところで、気にもなる点がある。
 こうした実態は、今回の指名停止9カ月の延長が公表された、新たな4カ国向けODA不正発覚の6月1日夜には判明していたのではないか(6月7日の参議院決算委員会締めくくり総括質疑で、JICA副理事長が参考人として出席し、エクアドル向け架空企業の存在を認めている。したがって、6月10日以前に事実が判明していたのは間違いない。そして、同委員会においては、これに対し、委員から“架空請求詐欺だ!”との意見が出ている)。
 また、前出の6月10日 「読売新聞」夕刊の報道によれば、ODA事業の下請け業務全般で不正が横行している可能性があるとして、JICAは今後、調査対象を他社にも広げる方針だいう(JICAから年間10件以上受注しているPCI以外の11社が対象になる可能性あり)。
 2005年6月10日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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ザイン“教祖”を自衛隊戦車に試乗させていた高島望氏

●1999年、自衛隊の富士学校で

 2 ともかく、写真をご覧いただきたい。
 戦車の左に乗っているのが、最近、複数の週刊誌で「全裸SEX教団」等と告発されている「ザイン」(本部・静岡県沼津市)なる団体の“教祖”・小島露観氏(=伯魔壬旭)。
 そして、右のふっくらした顔立ちの男性が、実は高島望氏なのだ。
 そう、武富士前会長・武井保雄の娘婿で、現在、政治家になるべく浪人生活を続けながら、わが国の安全保障問題や危機管理を研究する「千年塾」(東京都目黒区)なる任意団体を主宰している。退役軍人の集まりである社団法人「日本郷友連盟」の参与にも就いている。
 1999年4月、自衛隊の富士学校で90式という最新戦車での一コマ。
 もちろん、松下政経塾出身(5期生)で、政財界に太い人脈を持つ高島氏の仲介あってのことだ。
 だが、同団体は霊感商法(詐欺)や性的虐待疑惑もそうだが、何より、小島氏は今でも著書の中で「自衛隊はシビリアンコントロールから脱せよ!」と叫ぶだけでなく、90年半ばまで私兵を組織し、日本転覆を公然と説き、公安からマークされていた人物。現在、声高に叫んではいないものの、クーデター計画の持論はいまも捨てていないと見られる。こんな人物を招待する高島氏も高島氏だが、受け入れる自衛隊も自衛隊だ。
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2005.06.09

八王子の公団欠陥マンション問題のさらなる疑惑

●工事監理機能が、なぜ働かなかったのか?

  本紙は今年5月20日、「八王子の公団欠陥マンションで指名停止処分を受けた業者名」なるタイトル記事などを報じた問題だが、事はどうやら、建設を請け負った業者だけを批判しても始まらないようだ。
 周知のように、都市再生機構(旧都市基盤整備公団)の東京・八王子のマンション45棟中、実に20棟もが立て直しを余儀なくされた件だが、では、これほど杜撰極まりない工事をしながら、なぜ、都市再生機構はそれを見抜けなかったのかということだ。
 専門家からの情報提供によれば、官庁関連工事では、手抜き工事をやられると公的損失を来すため、少なくとも表向きは「設計」と「施工」、さらに「工事監理」の3つの担当者を分離しているはずだという。
 「設計」は設計事務所、「施工」は建設会社、そして「工事監理」は「設計」担当以外の設計事務所が担当しているというわけだ。
 「工事監理」とは、施工(工事)が設計図や仕様書通りにキチンと行われているかチェックする重要な業務。もし、工事に手抜きなどの不正があれば、施工業者(建設会社)にやり直しさせ、従わない場合には、建設主(今回の場合は旧公団)に報告しなければならない、と法的(建築士法)に定められている。
 民間工事の場合、「設計施工」といって、設計から施工、さらに工事監理まで一括して建設会社が請け負うことが多い。しかし、これだと“身内”でやっているため、設計通り施工しなかったり、また、工事監理のチェック機能が働かないことが大いにあり得る。
 では、八王子の公団マンションの場合、なぜ、工事監理のチェック機能が働かなかったのか?
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2005.06.07

国際協力銀行総裁に出された、「陰の総裁」告発メールの内容

●生き残りのため、元理事が様々な工作展開中?

 本紙はこれまで国際協力銀行(JBIC)について、2度記事にしている。
国際協力銀行は完全解体すべき」(今年5月22日)
民間銀行など比でない政府系金融機関の巨額不良債権ーー国際協力銀行、1兆8000億円の不良債権隠し」(今年4月5日)
 すると、以下のようなメールが届いた。
 関係者の話を総合すると、本当にこのメール、JBICの篠沢恭助総裁に出されているようだ。
 また、指摘の元理事が現在もJBICにかなりの影響力を有し、何らかのアクションを起こしているのも間違いないようだ。
 だが、如何せん、事が事だけに、その「政界工作」の裏取りは極めて困難である。
 そこで、問題提起すると共に、情報提供も呼びかけたく、以下、このメールを公開することとした(一部省略)。
 ただし、現時点では、名前は伏せ、また、本人と容易に特定できる社名等もボカした。何か情報があれば、是非、メールなりファックスをいただければ幸いだ。

 篠沢総裁
 突然のメールをお許しください。
 プロパー職員ではいまや解決できない問題がJBICで発生しています。
 それは総裁や監督官庁の知らないところでおこなわれている「政界工作」です。
 なお、このメールは、この問題の関係者ということで、監督官庁とその出身理事の方にもお送りすることをお許しください。支援が期待できるプロパーの一部にも送っています。
 その問題ですが、旧輸銀の元理事で、某エンジニアリング会社の役員であるA氏は、子飼いの広報室のB氏に指示して自分が関係する自民党、公明党、民主党の議員のパーティ券を購入させています。
 JBICの公金を使ってです。
 2005年6月7日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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2005.06.06

パシコン・荒木民生代表の疑惑(11) パシコングループの石垣島ホテルを親子で牛耳る

●イーストチャイナシーホテルの総支配人を務める荒木代表次男

 本紙はこれまで、沖縄県石垣島のイーストチャイナシーホテルを巡る数々の疑惑を指摘して来た。
 ①そもそも、同ホテル建設にパシコンが関わり合いを持ったのは、荒木民生代表のファミリー企業「パシフィック・テレコム」で生じた負債の肩代わりを一部行った「ファンタジィランド」が、同地でホテル建設を行うべく資金力ある企業を捜しており、それが交換条件だったからではないのか。
 ②ところが、同ホテル建設が進むや、荒木代表は肩代わりしたファンタジィランドの工事代金未払いを恐れ、公正証書不実原本記載などの法律違反を犯してまで、同ホテルの所有権を取得した疑惑、そのトラブル中、大物総会屋・小池隆一氏や暴力団組員まで使った疑惑などだ。
 もっとも、いくら荒木代表がパシコンを牛耳っているとはいえ、これらはホテルのオープンまでの出来事であり、過去例がないとはいえ、パシコン側で同ホテルを所有、経営を始めた以上、しかるべき人材が責任者になっていると思うだろう。当然だ。
 同ホテルは03年11月に建物登記されたが、その際の所有者はまずパシコングループ各社の持ち株会社「パシフィックコンサルタンツグループ」の100%子会社「パシフィックプログラムマネージメント(PPM)」になっており(土地は石垣市より賃借)、ところが、同日付けで、「真正な登記名義の回復」を原因にPPMの100%子会社、ホテル名と同じ、「イーストチャイナシーホテル」(02年11月設立。04年2月、石垣島に支店設立)に所有権は移って現在に至っている。
 このように、イーストチャイナシーホテルはパシコンのグループ会社なのだから、同ホテル責任者がパシコングループの正式な社員、100歩譲っても、招集したホテル経営の優秀なプロであって当然である。
 確かに、同社会社謄本を見る限り、荒木代表が04年3月から代表に就いていたものの今年1月には辞任。現在、荒木ファミリーは役員には就いていない。だが、同社の財務を担当する監査役には、前出PPM(荒木代表が現在も代表として牛耳っている)の子飼い役人が2代に渡り就いている。
 そして、何より驚かされるのは、同ホテルの総支配人には、荒木氏の次男・明夫氏が一貫して就いている事実。明夫氏は総支配人になるまで、北海道札幌市で都市計画のコンサルタント会社「O」を経営しており、ホテルの営業はまったくのド素人。参考までに、明夫氏が同ホテルを巡るファンタジィランドとイーストチャイナシーホテル間の訴訟において提出した「報告書」の該当部分を掲載しておく。
 56  想像して欲しい。あなたの会社の代表が主導で、関連会社でホテル経営を始めたとして、そのホテルの総支配人に、会社とはまったく関係ない社長の息子が就任。それもド素人と来ている。どこぞの個人商店ならあり得るかも知れないが、世界的な建設コンサルタント会社のトップ、それもODAを始め公的仕事が90%以上をゆうに超す企業トップが、こんな公私混同をして、批判の声が起きないとはどうなっているのか!?
 事情に詳しい関係者が証言する。
「このホテルにパシコンは建設費用だけで約10億円注ぎ込んでいます。指摘の通り、そもそも荒木さんのファミリー企業の破産という問題で関わった以上、もし、損失が出たら本当に特別背任に問われかねない。ところが、彼はあわよくばファミリー企業の残っている負債をこのホテル絡みで埋め合わせしたい思惑もあるようだ。それで、PPMの側近役員を監査役、本当は総支配人には長男・謙を就けたかったが、さすがにファミリー企業破産の張本人は余りに露骨過ぎるということで次男にしたと聞いている。こうして身内だけで固めれば、粉飾決算しやすいからね」
 2005年6月6日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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2005.06.05

大手コンビニ幹部に、女性スキャンダル発生か!?

大手コンビニ幹部の女性スキャンダルが、週刊誌を始めとする各マスコミに持ち込まれており、近く記事化するかも知れない。
 関係者によれば、某幹部が以前、愛人にしていた職場女性とのトラブル。
 2人の関係はすでに清算されていたのだが、最近になり、元愛人がカネに困り、その幹部に手紙を書いて窮状を訴えたところ、その幹部からまとまったカネが送金されたそうだ。
 それに対し、元愛人が直にお礼を言おうと(?)職場に電話した(幹部は不在で伝言)のがトラブル発生の発端。
 どうやら、幹部はさらにカネをむしり取られると思ったようで、元愛人に自ら折り返し電話し、一方的に大声で長時間に渡り、「俺を脅迫するのか!」旨、怒鳴り続けたそうだ。そのため、彼女は急性ストレス障害になったとして、診断書を取っているようだ。
 2005年6月5日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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本紙・山岡、『紙の爆弾』で、安倍晋三事務所絡みの地元選挙違反疑惑を執筆

●6月7日(火)発売の第3号で

  2 本紙では今年5月12日の「下関市長選、公選法違反と市議等が告発ーー背後に、安倍晋三代議士秘書」なるタイトル記事を始め、地元の山口県下関市で浮上した選挙違反疑惑、そして自民党支持者の造反につき、何度も報じて来た。
 6月7日(火)発売の『紙の爆弾』第3号に、その総まとめといっていい記事を執筆したので、ご覧いただければ幸いだ。
 なお、地元の市議等が、最寄の山口県警にその選挙違反疑惑につき、告発したのだが、その当日、現地取材を行った『週刊現代』はその後、記事化していない。また、いま現在も、県警は目立った動きを見せていないし、漏れ伝わっても来ない。
 当初、予測されたこととはいえ、やはり、県警では、安倍晋三代議士の政治的影響力が及ぶ余地があり、動きにくいということだろうか。
 2005年6月5日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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<新連載開始>「NYから眺めたフジヤマ」byマイク・アキオステリス(日本通米国ジャーナリスト)22 日本の“延々裁判”         

運転停止中の高速増殖炉「もんじゅ」を巡り、住民らが設置許可の無効確認を求めた(訴訟開始は1985年)上告審で、最高裁第一小法廷は30日、二審の高裁判決を破棄し、国側の逆転勝訴が確定した。同訴訟は最高裁まで20年かかったわけだが、日本では二十年以上の裁判はざらである。リクルート事件の一審判決は初公判か11ら十三年目。「甲山事件」で無罪の判決が言い渡されたのが事件から二十四年目。検察が求刑した十三年をはるかに上回る年月である。盛岡地裁の法人税法違反事件に至っては、起訴から判決まで二十五年半かかっている。さらに、オウム麻原被告に一審判決が下されたのが裁判開始から七年目、この調子だと、最高裁にて刑が確定する頃には多分、事件が風化しているだろう。冤罪を防ぐためにも公正な裁判を実施し、事実関係を明確にするのは当然とは思うが、被害者感情、世論を考えると、多くの国民が裁判の敏速化を望んでいるはずだ。日本の司法制度、司法サービスはかなり遅れている。日本で裁判が長期化するのは訴訟の件数に比べて法曹関係者の数が少ないからともいわれている。裁判官や検事も少ないが極端に少ないのが弁護士だ。英国の弁護士数は80800人、ドイツが85800人、フランスが29300人、ところが日本は16300人である。それも、そのうち四割は東京・大阪に集中し、弁護士が100人に満たない県が28県、全国3300余の市区町村の85%には、弁護士が一人もいないというから驚きだ(司法制度改革推進本部顧問会議の資料を参考)。これでは十分な司法サービスが受けられない。日本の裁判が「延々…」となっているもう一つの要因が審理の進め方にある。日本での裁判審理は書面のやりとりが中心となっている。裁判官、検事、弁護士が出席する「裁きの場」としての体裁は整っているのだが、実際の進行は書類のやりとりがほとんどだ。自らの主張は文書で提出、相手方に対する反論もまた、次回の公判で文書となる。双方が文字通りの弁論を戦わせることは少ない。そして、次の公判は早くて一~二か月後だ。一回の公判で審理が少ししか進まず、次の公判が数ヶ月後というスロー・ペースなのである。先の米大統領選挙でフロリダ州での開票をめぐる最高裁審理がテレビで中継されたが、双方の弁護士が法廷で文字通りの弁論を繰り広げた。レンキスト連邦最高裁長官自らが双方の弁護士に矢継ぎ早に質問を浴びせていたのに対し、質問された弁護士はその場で答えなければならない。何事においても文書で回答するという日本では考えられない展開である。日本で以前、法廷で居眠りばかりしている裁判官が裁判官訴追委員会に訴追請求されたが、日本弁護士会でも法廷での居眠りが問題になっているそうだ。これも、日本の裁判は文書のやりとりが中心で、弁論と言っても文書を朗読するに過ぎず、居眠りしても裁判官が務まるらしい。日本の司法関係者は弁論を戦わせることを苦手とし、法廷は文書のやりとりをする場となってしまった。これでは二十年以上の裁判は当然である。裁判とは、人々の記憶に残っている間に裁かれるべきものである。一昨年、首相官邸で開かれた司法改革会議で小泉首相は、新聞の投稿欄に掲載された川柳を引用し、裁判の迅速化を訴えていた。その川柳というのが「思い出の事件を裁く最高裁」という句であった。

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