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2005.08.28

「NYから眺めたフジヤマ」byマイク・アキオステリス(日本通米国ジャーナリスト)(35) 衆議院選という「劇場型ドラマ」

一週間の出張から帰った。溜まっていた郵便物のなかに日本から届いた小包があった。小包には日本のTV番組を録画したビデオや週刊誌など、雑誌が十冊ほど入っていた。日本の友人が毎月、送付してくれる。ありがたいことだ。日本の“今の模様”を知るにはインターネットよりも週刊誌やTV番組の方が断然、わかりやすい。夕方、ニッ6ポンの二週間を眺めた。今回はどこのメディアも衆議院選をメインに取り上げているが相変わらず、小泉首相を主役に据えては、「ぶっ潰す」「刺客」「造反組」「マドンナ候補」など、好奇心を刺激する活字を繰り出し騒ぎ立てている。日本のマスコミは総じて、選挙戦を「ドラマ」に仕立て上げようとしているようだ。それも小泉首相を「織田信長」に重ねての「劇場型ドラマ」である。でもなんとなく、すっきりしないものを感じる。郵政に反対した議員はあくまでも、一国会議員としての判断で行動したに過ぎない。それがいつのまにか、裏切り者、造反組に置き換えられている。多数決で否決された以上、その後は政策をもって説得するか、あるいは、法案をやり直すかしかない。それを窮地に追い込むやり方にて、「どっちを取る!」と迫るとは、こんな乱暴なやり方が罷り通るのならば民主主義も、国会も必要ない。ところが国民はこれを支持している。それも、そこまでしなければ「真の改革」が出来ないという見解からの支持というより、一見、信念を貫いているかに映る小泉首相の頑さと負けん気に「好感」を感じての支持である。造反組はさぞかし、悔しい思いだろう。しかたがない。政治は演出、ショーの要素を多分に含んでいるから千両役者の小泉首相にはかなうまい。小泉首相の演技に比べると亀井静香議員のイメージは脇役どころか、悪徳代官のそれである。民主党の岡田党首に至っては大根役者のレベルだ。実際、小泉首相の「自民党をぶっ潰す!」「反対するものは容赦しない!」との啖呵に国民の半数以上が喝采を送っている。さらに、経団連も小泉改革を支持、米マスコミもこぞって、小泉首相の改革路線にエールを送っている。ブッシュ大統領あたりはさぞかし、郵政を踏み絵に頑張っている小泉首相を頼もしくも、心強いパートナーと思っているだろう。“変人”と言われる小泉首相がこれだけ支持される背景には日本の異質さ、日本特有の「生理」があるようだ。日本の有権者は外見、イメージ、知名度などで判断する傾向が強い。日本の選挙では「弔い合戦」なる言葉が動員されるほどに、心情的、感情的なものが左右する。こうした特性を考えると今のところ、小泉首相の賭けは当たったようだ。しかし“刺客”として鳴り物入りで送り込んだ候補者の顔ぶれをみると…、そこには改革もなければ政策ない。マドンナ候補者の一人である料理研究家のセンセイは、「お茶を飲みながら政治を語る、そんな政治があってもいいと思います」と言う始末。広島から立候補したホリエモンは「親に育ててもらった分はすでに、それ以上の金銭でお返ししている」と、親の恩を金銭の損得勘定で論じる人間性。この程度の刺客を連ねて改革を叫んでいるようでは到底、本物とはいえまい。真の改革とは、国民をして「これではいけない!」との危機感に煽られる現象である。残念ながら今の日本には、そうした危機感はどこを探しても見当たらない。

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コメント

 
 歴史的な選択、熟考を
 星浩・編集委員
 
 外交も論点だ。自衛隊のイラク駐留を続けるのか。「撤退なら、日米関係
は軋(きし)む」(政府高官)ことを覚悟するのか。
 
           ===朝日新聞2005年8月30日(火)===
 
〓〓〓〓〓
 
 そもそも、日米関係の現状は良好なのでしょうかね。米国は、次から次へと、
日本にゴリ押しして来ていますよね。
 「Show the flag(国旗を掲げろ)」の次には、「Boots
on the ground(軍靴で踏み締めろ)」の次には、「BSE未
検査牛肉の輸入の再開をしろ」でしょう?
 
 「毒を食らわば皿まで」と言うか、毒饅頭(まんじゅう)を「これでもか、
これでもか」と押し付けて来ますからね!
 
〓〓〓〓〓
 
2005年08月29日
明日から2,3日、
 
 米紙が「手取りの時期がちょっと伸びた」と報道した
 日本の報道では伝わってきませんが、郵政民営化をすると郵貯と簡保の340
兆円が米国債に流れるので、アメリカに戦費をあげるようなものです。参議院
でこの法案が否決されたとき、米紙が「手取りの時期がちょっと伸びた」と
報道したのはご存知ですか?私たちの知らないところで、恐ろしいことが起き
ています。この要求は米政府から来ているのですよ。
 
野生化の時代 http://zaki.seesaa.net/
 http://zaki.seesaa.net/
 
 参議院でこの法案が否決されたとき、米紙が「手取りの時期がちょっと
伸びた」と報道した
 
 メディアは言わないけれど、郵政民営化をすると郵貯と簡保の340兆円が
米国債に流れるので、アメリカに戦費をあげるようなものです。
 参議院でこの法案が否決されたとき、米紙が「手取りの時期がちょっと伸び
た」と報道したのはご存知ですか?私たちの知らないところで、恐ろしいこと
が起きています。この要求は米政府から来ています。
 
天木直人のホームページ
 http://amaki.voicejapan.net/
  リンク集
   天木直人を勝手に応援する会
    http://easyform.net/bn/Fx.exe?Parm=ns0103!NSGyouji
     天木直人を勝手に応援しよう!
      連絡事項
       08/29 今回の選挙は
        http://easyform.net/bn/Fx.exe?Parm=ns0103!NSWhats&Init=CALL&SYSKEY=0002
         2005/08/29 今回の選挙は きくちゆみ
 

投稿: 正樹 | 2005.08.30 21:12

この期に及んでまだ「小泉支持が高い」という現実にガッカリしています。

>特定の業界・地域の代弁ばかりの政界を変えたい

 おっしゃる意味はわかりますが、その「特定の業界・地域」が「貴方の属する業界・地域」だったら、文句はないのではないでしょうか?
 民主主義政治とはそういうものだと思います。
 小泉やマスコミが叩いている「建設」「郵政」などの業界も、そこに属している人たちにとっては大切なものであり、それを守るための代弁者となってくれる人を国会議員にする(投票する)。これって、当たり前のことですよね?
 それに、そうやって選出される国会議員が多いということは、それで利益を受ける人も比例して多いということで、国民の意志を反映しているとも言えるのではないですか?


>無駄な高速を作りたがる政治家よりホリエモンの方がまし、と言ったところでしょうか。

 「無駄な高速」とは、ホントにあるのかどうかご存知ですか? 単に、「クマしか通らない」とか「赤字垂れ流し」などというセリフを鵜呑みにして、小泉・マスコミに乗せられているのではないですか?
 欧米諸国では、高速道路は国家の基幹的なインフラとして、すべて税金で整備されており、そもそも「赤字」という概念すらないのです。
 たしかに効率化する余地はあるかもしれませんが、ちゃんと事業採算ベースで「赤字」という概念を持っていること自体が、いずれ返済しようとしているわけですから、すべて公共事業(=税金)でまかなうよりもマシではないでしょうか。
 また、郵政民営化の議論の中で、「ヤマト運輸や佐川急便でも代わりができる」などと言われるほど民間物流事業者が事業を拡大できたのは、「クマしか通らない」ような場所でも高速道路網が整備されてきたからです。コンビニやスーパーに生鮮食料品が季節の偏りや欠品なく並んでいるのも、同様です。
 さらに、「高速道路なんて無駄だ」と言われるような場所にも住んでいる人もいますし、なんらかの用事や観光で訪れる人もいます。そのような人たちは、不便な思いをしていても切り捨てですか?
 このようなことをキチンと理解された上で、はじめて「無駄な高速道路」か否かが語れるようになるのだと思います。猪瀬さんを含め、残念ながら、この言葉を使う人で必要な知識・認識が十分ある人はいないと感じますが、いかがでしょうか。


>民間企業やちまたであたりまえと言ったことが政界にも必要な気がします。

 日本人は「常識(コモンセンス)がない」と欧米のジャーナリストなどにはよく言われているそうです。ここでいう「常識」は、「合理的・論理的に考えれば、誰でも到達する結論」といった意味です。
 ご指摘の内容は、たぶん別のことを指しているのだと思いますが、しかしながら、「民間企業やちまた」と「国の政治・行政」を一緒にできないことは、まさに「常識」だと思います。
 例えば、国の収入は国民から徴収する税金ですが、国の支出は公務員(=国民に対するサービス業)の人件費や、公共事業(=国民の使うインフラ整備)を含め、基本的には国民に還元されます。つまり、原則、国民から集めたお金を国民に対して支払うという収支構造で、民間企業や家計の収支と明らかに異なるものです。それに、お金が足りない時は、最終的には増税して徴収すれば済む(強制力があるのです)ので、「国民の総資金>国の借金」の関係が崩れない限りは大丈夫だったりします。
 このようなことを考慮すると、政治・行政などの国の運営にあたっては、民間企業経営や家計の切り盛りとは異なった考え方・視点で行う必要があることは自明の理(=常識)だと思います。
 しかしながら、このことはあまり理解されておらず、企業経営や家計を例に示す方が「分かりやすい」というくだらない理由で、小泉・竹中の「常識(マト)外れ」な構造改革が支持されていたりして、本当にガッカリします。

 それとは別に、国民の代理人たる国会議員(その取り巻きの秘書など)や、公僕たる公務員の態度・振る舞いが「おかしい・常識はずれ」というご意見も、正しいとは思いますが。

投稿: pika | 2005.08.30 01:20

 
>特定の業界・地域の代弁ばかりの政界を変えたいという国民の気持ちが
 
 ただ単に、小泉氏は、米国・米国政府と称する「業界団体」の代弁をして
いるだけでは!?
 
〓〓〓〓〓
 
 重税の正体を暴く警告の書
 
 『重税国家 日本の奈落』
 --金融ファシズムが国民を襲う--
 副島隆彦(祥伝社)
 小泉政権が発表した増税は、アメリカの巨額の財政赤字の肩代わりを目的
とする「戦争税」に他ならないと言う構造と、そして日本国民の最後の虎の子
である郵便貯金と簡易保険の合計350兆円が「ハゲタカ外資」に乗っ取られる
可能性について、著者は明快な論理で解き明かす。
 
         ===朝日新聞2005年8月26日(金)夕刊===
 
 『WiLL』2005年10月号
 
 小泉「郵政改革」
 日本をアメリカに売り渡す国家犯罪ではないのか
 なぜ小泉は、これほど郵政改革に拘(こだわ)るのか
 西尾幹二
 
         ===日本経済新聞2005年8月28日(日)===
 

投稿: 正樹 | 2005.08.29 22:01

こんにちは。おっしゃっていること、もっともだと思います。ですが、そうと分かっても、小泉氏のやり方に賛同する気持ちもあるという複雑なものがあります。
特定の業界・地域の代弁ばかりの政界を変えたいという国民の気持ちが、問題はあるけれど、小泉人気につながっているのかなと思います。無駄な高速を作りたがる政治家よりホリエモンの方がまし、と言ったところでしょうか。民間企業やちまたであたりまえと言ったことが政界にも必要な気がします。従来の政治家のあまりに常識はずれの考え方にあきれてしまいます。願わくば、現状がより良い方向に向かう過渡期であると考えたいです。

 政治家が容姿その他で選ばれるのは、日本独特とありましたが、それは、民主主義が始まったときからの宿命のような気がします。人を非難して、自分を正当化するわけではないですが、アメリカの大統領選のすさまじさには、恐ろしさすら感じます。いくらあつめ、以下に優秀な広告マンを雇うかによって決まるあのやり方は、なんなのでしょうか。イメージ戦略におどらされない判断ができるよに、また、ブログを拝見に伺います。

投稿: omino | 2005.08.29 09:05

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