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2005.08.15

「NYから眺めたフジヤマ」byマイク・アキオステリス(日本通米国ジャーナリスト)(33) 「食いしん坊バンザイ!」の国 

アメリカで数年前から日本の、「料理の鉄人」が放映されている。米国での番組名は「アイアン・シェフ」、米視聴者たちにも好評だ。同番組は声優たちの喋り方まで日本と同じ臨場感で編集されている。ところが、審査員のコメントだけは日本と異なっている。例えば、日本での『味が香りに隠れているところが絶妙ですね』のコメントが英語1234に吹き替えられると、『香りと味が素晴らしい』となってしまう。これはシナリオ担当者の責任ではない。日本人・日本語がもつ繊細さ、曖昧さには英語に訳せない境地があって無理に訳すと言葉にならないからである。つまり「ワビ」「サビ」の、日本人の「拘りの世界」である。でも、間違った吹き替えでも問題はない。米国では「エンターテイメント性」に重点がおかれるので味に関しては「美味しい」「素晴らしい」で十分なのである。それにしても、香りに隠れた味というのがどんな味なのかぜひ一度、体験してみたいものだ。「料理の鉄人」に限らず日本人の「拘り」は世界で類をみない「精神世界」である。「美味しい」とか「旨い」の次元を超え、「道」を求める修行の世界である。また、日本人ほど「食べる」ことを生きがいにしている国民もいない。それを物語る現象が「ラーメン・ブーム」である。日本のメディアは連日、「幻のラーメン」「行列のできるラーメン屋」など、日本中のラーメン店を紹介している。“料理への執着”はラーメンだけでない。寿司から韓国料理まで、ほとんどのジャンルにわたっている。その結果、どのメディアにも必ず、料理に関する記事が掲載されている。手元にある日本の雑誌(古い雑誌も多い)を捲ってみると…、「週刊朝日」の巻末カラー・グラビアには185回目にあたる「魂のラーメン」の連載があった。そしてそこには「…魚介の乾物の風味の利いたグッと胃袋に迫真する味わいなのである」との紹介文が載っていた。“胃袋に迫真する味”とは一体、どんな味なのだろうか。「フライデー」の巻末グラビアには「ガチンコ親父・佐野実。オレが唸った一杯」。「週刊ポスト」では「シリーズ・情熱の料理人」と題し「旬を食う」を掲載している。「週刊現代」は八ページを割いて「うまい鍋21」をカラーで紹介、巻末グラビアでは「山本益博の50皿勝負・これが最高」という連載があった。ヘアー・ヌードのない週刊文春や週刊新潮もこと料理に関しては、「東西食遊記」、「グルメ」の連載があった。これはテレビも同じである。今やどの局も料理企画番組、料理バラエティー番組のオンパレードである。女性誌や料理専門誌ならまだしも、これだけ多くの料理関連情報が氾濫しているに至っては、日本のマスコミはこぞって、日本人の楽しみを「食べること」に縛り付けているようである。なにも料理関連記事・番組がいけないというのではない。ただ、これだけ多くの料理情報は行き過ぎである。それも、たまに掲載されるのならまだしも、毎週、毎度の掲載だと「他に取り上げる情報・問題はないのか!」となってしまう。昨年、大阪府で某小学校の高学年八百二十五名に『将来なりたい職業は』とのアンケート調査を行ったところそのうちの31%の生徒が、「板前・料理人・シェフ」と答えたそうだ。ちなみにこれは三位であった。料理人に憧れている子どもが31%とは驚いたが、日本は将来、どんな国になるのだろうか。

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コメント

連載はいつも興味深く拝見しておりますが、これはちょっと趣旨がよく分からないです。マスコミに多様な情報を求めるのはいいのですが、味覚に関する言葉を攻撃したり、料理関連の番組の頻度を問題にしなくとも、もっと他にふさわしい対象があるように思えてなりません。なにしろ食は万人に関係することですから。
食文化って大事ですよね? それに関わる職を志す若者が増えるのは、良いことではないでしょうか。33%はなるほどかなり高い気がしますが、別にそのとおりにならないことはまず想像が付くことで、心配ない気がします。
あと、食べ物の味を形容する流儀ですが、日本にも独特の細かい言い回しがあり、フランス・イタリアなどにもありますよね。たとえばアメリカのソムリエなどは、いろんな言い回しを使ったりしないのでしょうか? 肥満大国・ファストフード大国ではもっと大雑把な物言いしかしないとか?? そんなことないでしょう?

投稿: n | 2005.08.15 17:17

途中からけなしに入ってて面白いですね。
どうでもいい占いとかを批判した方が良いと思いますが。

投稿: たくろう | 2005.08.15 15:52

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