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2005.08.08

<新連載開始> 「NYから眺めたフジヤマ」byマイク・アキオステリス(日本通米国ジャーナリスト)32  「サラリーマン化」する日本 永岡代議士の自殺

「郵政民営化」がクライマックスに差し掛かった8月1日、自民党の永岡洋治衆院議員(54)が自殺した。現職国会議員の自殺は、98年2月の新井将敬衆院議員(当時50)以来である。永岡議員は東大法学部を卒業後、ハ20050801ーバード大の大学院を修了し、03年4月の衆院補選で初当選、同年11月に再選を果たした。しかし、彼のエリート人生は国会議員になった瞬間から負に転じた。郵政民営化法案の党議拘束を決めた6月28日、永岡議員は党総務会で反対を唱えた。ところが、7月5日の衆院本会議で賛成にまわった。議員会館には「今度はお前に青色(反対票)を投じてやる」といった嫌がらせの電話やファクスが1日に10件以上も届いた。本音は「反対」であったが組織の一員として「賛成」しなければならない現実…、自分の信念を貫き通すかそれとも、一兵卒として“忠”に徹するか、厳しい選択を迫られた。派閥政治が繰り広げられている日本では政治家の嘘、裏切り、寝返り、造反といったことは日常茶飯事である。だが、そこを巧みに泳ぎきらなければ一人前の政治家になれないそうである。永岡議員も結局、「党の事情」に押されて賛成票を投じた。彼は秘書に、この時の心情を「僕は自民党の社員だから仕方がない」と語った。亡くなった永岡議員には申し訳ないが、「そんな弱気で政治家が務まるか!」となってしまう。国民から選ばれて国会議員になった以上、国民にとって最も良いと思える判断を基準に据えなければならない。それを、「党の事情」や「解散後の選挙事情」を優先し、意思に反した「偽りの票」をもって名分を翳すのは、国民に対する裏切りである。政治家は時に、厳しき決断に迫られる場合が少なくない。国家・国民の一大事に際しては常に、自分の下した判断が後世に裁かれるとの、覚悟と責任をもって向かい合わなければならない。ケネディー大統領が「キューバー危機」にて下した歴史的決断、また、核兵器の存在が確認できない時点でイラク攻撃にGOサインを出した米ブッシュ大統領…、政治家の判断はその後の、時代の流れを変える一大事として歴史に刻まれる。それだけに、いい加減な覚悟、生半可な信念では政治家になれない。永岡議員の自殺の報せに接し、なにも自殺することはなかっただろうに…と思うと半面、彼は政治家に向かない人、国会議員になってはいけない人、と思った。とくに、「僕は自民党の一社員…」という言葉に、サラリーマンと化した哀れさまで伝わってきた。彼だけではない。日本の政界にはサラリーマンと化した国会議員と二世議員しかいない。そこには国家・国民のために身を投じる政治家など、志と気骨をもった人物は一人として見当たらない。このようなことは政治家だけではない。警察官の裏金作りも同じだ。悪を取り締まる警察官としては当然、裏金づくりは悪事とわかっている。ところが、サラリーマン化した意識が警察の使命と責任を麻痺させ、せっせと裏金づくりに手を貸す。日本社会はまさに、「赤信号みんなで渡れば恐くない」の社会である。日本では自分の意思・主張・判断よりも周囲の状況に照らし、周囲の顔色を伺わなければならないようだ。ならば、日本で生きていくためには絶対、「寄らば大樹の影」「長いものに巻かれろ」との、日本特有に知恵と処世を身につけなければならないようである。

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コメント

無性に、竜馬がゆく を読みたくなりました。
    いま、(4)まで読み進んでいます。

投稿: 志士 | 2005.08.09 00:06

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