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2005.03.24

<新連載開始>「NYから眺めたフジヤマ」byマイク・アキオステリス(日本通米ジャーナリスト)⑦日本の「ぶら下がり制度」 

3月23日、電波監理審議会(総務相の諮問機関)はNHKの「会長の業務執行に関して助言する」との目的で顧問、参与と学識経験者による委員会を置けるとした定款から、顧問と参与を削除することを認めた。現在の顧問は元理事ら4人で、顧問料は1人平均年1300万円程度である。今になってやっと、NHKにおける顧問と参与がなくなったわけだ。それにしても、顧問や参与の目的が「会長の業務執行に関しての助言」というから、呆れる。助言を受けなければ経営に支障をきたすこと自体、トップとして失格である。このようなことはNHKだけではない。日本のほとんどの企業がこの手の、“建前”を使いまわしている。ボランティアならいざ知らず、高い報酬に運転手付の公用車を乗り回し、あてがわれた個室で踏ん反り返っている。そこですることといえば日々の、“暇つぶし”である。思うに、これは一種の日本特有の「互助会制度」である。いわば「社内天下り」と同じだ。昨年、親しくしている英国人ジャーナリストが、「日本の企業はトップを辞めた後に顧問、相談役、名誉会長になるが、彼らの役割と存在は何?」と聞いてきた。なるほど、アメリカにはこの手の役職はない。アメリカではトップを退いた後、引き続き協力する場合は別途、コンサルタント契約を結ぶのが一般的だ。でも、このようなケースとて稀である。ところが日本では、社長を退いた後に顧問、相談役、参与、名誉会長などなど、最後まで会社に“ぶらさがっている”。
12_374考えてみればおかしな話だ。トップを退いたら潔く、企業から去るのが常識である。なぜなら、経営者OBが長く会社に居座っているのは百害あって一利なし、だからである。新しくトップになった経営者にすれば、元社長連中が後ろに控えていては何かとやりづらい。まして日本は、典型的なサラリーマン社会の法則で動いているから、常に彼ら長老たちが口を挟み、影響力を誇示する。結局、彼らの顔色をみなければならなくなる。まったくナンセンスな話だ。これは政治の世界にもいえる。今現在、国会にて「元首相経験者は手をあげてください」といえば、5~6人が手をあげるはずだ。羽田元首相、橋本元首相、宮沢元首相、海部元首相、森元首相…、せっかく首相まで上り詰めたのにまたもや、一国会議員になって居座り続けている。無理もない。肩書き社会の日本では“元○○”の威力は絶対的だからである。しかしそれには、“元○○”の威力が通用する領域にいなければならない。そうでなければ橋本元首相のように、「一億円」をもって相談に訪れる人もいなくなる。こんなことは世界でも日本だけである。普通、首相や大統領にまで上りつめた後は大学で教鞭をとるとか、それとも慈善事業、コンサルタント活動など、今までの経験を生かしての社会貢献や、お国のためになるような活動に精を出す。よしんば、過去のポストに関わるとしたらカーター元大統領のように、「米国際政治研究会の理事」として外交のお手伝いするぐらいだ。それも、政府から声がかかればの話である。企業のトップは一種の権力者をして総責任者である。それだけに、その座を退いた日には、全てを後の者に委ねなければならない。そうでなければ、責任が曖昧になる。でも、日本の企業にはCEOの数だけ、役立たずの顧問や相談役が居座っているから「うんざり」する。(写真は、世の批難を浴び、わずか3日で顧問を辞任した海老沢勝二NHK前会長)

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