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2005.03.21

<新連載開始>「NYから眺めたフジヤマ」byマイク・アキオステリス(日本通米ジャーナリスト)⑥日本の大新聞の「報道の歪み」

  週末、インターネットで日本のニュースを観ていると読売新聞サイトに、【韓国大統領「竹島」で米の支持要請、ライス長官無反応】との見出しで、以下の記事が掲載されていた。【盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は20日、ライス米国務長官と会談、竹島や教科書問題で日韓関係が悪化している現状について説明。盧大統領は、竹島問題などを念頭に…(中略)、間接的な表現で韓国への支持を促した。しかし、ライス長官は、特別な反応を示さなかった】。この記事に接した限り、韓国が竹島問題で米国から支持を取り付けようとしたかに受けとれる。なにより、“竹島で米の支持要請、ライス長官無反応”との見出しは、支持を要請した韓国側に米国は何の反応も示さなかったことをあえて、強調しているように感じられた。読売の見出しに「?」となった。ライス長官のアジア訪問に際しては米メディアも連日、報じている。米メディアや韓国の英字メディアにアクセス、関連報道を分析してみた。すると、真相は異なっていた。
12_048 今回の、ライス長官の日中韓訪問目的は「北朝鮮問題」にある。米国の北朝鮮政策は「米日韓の連携」を軸に据えている。ところが、韓国の盧政権は“同胞”の立場から甘き政策で向かい合ってきた。これでは空回りするだけだ。また、米国の描くシナリオに沿って足並みを揃えなければならない時期に日韓関係までギクシャクしてきた。それも、韓国で激しい対日感情まで生じている。日韓の対立は北朝鮮政策に影響を与えかねない。米国はさっそく、「今の時期、そんなことしている場合ではないでしょうに!」と、盧武鉉大統領に迫った。米国の政策をわかっている韓国は、米国のシナリオに不満をもっているから日本との関係を乱しているのではないとの、米国の誤解を解くことに重点を置いた。そして、最近の、日韓対立の要因となっている竹島問題を歴史に遡って説明、ライス長官に理解を求めた。ライス長官は韓国側からの説明を聞き、韓国が日韓関係を北朝鮮問題に連鎖させないことを確認した。つまり、ライス長官は両国の歴史的葛藤の説明(弁解ともいえるが)を受けただけなのでそれに、“反応”を示す状況ではなかった。それを読売の見出しは、韓国の要請にライス長官が「無反応」で対応したかのように報じた。この記事を目にした多く国民たちは、竹島問題で米国に支持を要請する「韓国の強かさ」に眉をひそめたことだろう。いくら竹島問題が“旬の話題”とはいえ、記事の焦点をはじめからそこに合わせて報じるのは一種の、「意図的報道」である。だいたい、米国が竹島問題など、自分たちに関係のない問題に片方の肩をもつなど、間違ってもありえないのが「国際外交の常識」である。この程度の常識さえも知らないから、無知な見出しが付けられるようだ。読売新聞といえば世界最大の部数を誇る大メディア…、世界の情勢、国際外交をもっと深い視点から分析してから、報じてもらいたいものだ。こうした「報道の歪み」は読売新聞だけではない。日本のマスコミでは多々、この手の歪みをして無責任なニュアンスを垂れ流している。真相や事実よりも読者受け、視聴者受けする視点、アングルで迫った方が話題になるからだろう。日本のメディアが世界から相手にされないのも案外、このへんの「報道の歪み」や「ニュアンスの違い」にあるような気がしてならない。(写真は竹島)

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