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2005.03.21

「週刊文春」スクープの里谷多英選手“公然わいせつ事件”に公益性はあるのか?

●『週刊文春』スクープが引き金で、連日の里谷選手の人格否定報道が始まった

 12_366『週刊文春』が3月10日号(3月3日発売)で報じた「里谷多英『泥酔公然ワイセツ事件』」が、物議を醸している。
 フリースタイルスキー・女子モーグル金メダリストの里谷選手(28)が今年2月、東京・六本木のクラブで泥酔し、白人男性とVIPルームで公然SEXを行った挙げ句、止めに入った従業員に対し暴行まで働いたという内容。
 “天下の文春”が大々的に報じたことから、他の週刊誌や女性誌、夕刊紙、スポーツ紙などが追随。「下半身ムキ出し 公然セックス騒動波紋」、「騎乗位1時間半」といった大見出しからも察せられるように、のぞき見趣味としか思えない記事が氾濫した。
 ところが、3月14日発売の『週刊大衆』(3月28日号)に、事件現場に同席していた里谷選手の米国人コーチが顔を晒して登場。VIPルームで1時間半にも渡って行為を行っていたとされるが、同ルームに入ってから暴行現場をコーチが目撃するまではわずか10分程度であった、また、先に暴力をふるったのは従業員の方と証言。加えて、里谷選手の代理人弁護士が、所轄の警視庁麻布署に店の従業員に暴力行為を受けたとして被害届けを出していた事実が明らかになった。
 一方、『文春』の追随報道に対し、当初、公然セックスを証言していた従業員がその証言を否定し出すなど、記事の信ぴょう性が俄に怪しくなって来ている。

●そもそも、公益性がある内容なのか? 

 もちろん、『週刊文春』のことだから、彼らなりの緻密な取材に基づいているのだろうし、従業員の変化は、裁判対策を考えて上司に口止めされている結果に過ぎないのかも知れない。
 しかし、冷静に考えてみれば、そもそも、この事件、大々的に報道するような内容なのか?
 確かに、里谷選挙は注目される金メダリストだが、しかし、基本的に下半身の話はプライベートな問題のはず。もちろん、報道のように公然セックスしていたり、自分の方から暴力をふるったのであれば法律に触れる余地があり、報道すること自体を否定するつもりはない。しかし、その場合でも、“天下の文春”が特集を組むほどの公益性が果たしてあるのか? この力の入れようが、興味本位の部数獲得のためといわれても仕方ないだろう。
 もちろん、彼女自身、金メダリストとしての自覚が足りなかったのは事実だろうが、すでに世界選手権代表への派遣を全日本スキー連盟から見送られるなどそれなりの処分を受けているし、本人も反省している様子だ。
 ところが、『週刊文春』は何を思ったのか、次号では元夫を登場させ、姑問題まで語らせている。
 まさに彼女の全人格まで否定する有様で、あるテレビ局ディレクターも、「文春の報道は異常としかいいようがない。何の権利があって、彼女があそこまで叩かれないといけないのか? あれでは、選手生命だけでなく、精神的ダメージで、一人の人間としてもこの先やっていけるのか不安です」と激怒していた。
 2005年3月21日掲載。この記事を見たい方は、本紙改訂有料ネット記事アクセス・ジャーナルへ

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