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2005.03.19

<新連載開始>「NYから眺めたフジヤマ」byマイク・アキオステリス(日本通米ジャーナリスト)⑤日本のTVコメンテーターの実力と質 

 先日、サンディエゴに住む友人(日系駐在員)のH氏が私の事務所に立ち寄った。彼はいつも、私に日本のビデオを持ってきてくれる。録画ビデオはワイド・ショーからバラエティー番組まで、いろいろだ。家に帰ってビデオを観覧した。ビデオを観ながら思ったことだが、番組に出演している「評論家」や「コメンテーター」と言われる奴らの、無責任でいい加減すぎる発言には毎度、うんざりさせられる。日本のTV局は社会的事件が持ち上がるとさっそく、スタジオに評論家やタレントを掻き集めては、わけのわからないことを語らせる。昨年、拉致問題が騒がれた時、某TV局が北朝鮮問題の特番を組んだ。評論家のセンセイ方やタレントも多数出演していた。番組の企画は悪くなかったが、出演者たちの無責任極まりない発言には正直、腹がたってきた。アジア政治研究家との肩書きで出演していた某大学教授は、「北の政権は破滅寸前です。日本が本気で経済制裁を行えば一気に、金政権に多大なダメージを与えられる」と、テンポの外れたことを言っていた。経済制裁の真の意味もわかっていないセンセイの、得意な顔が「バカ」に見えてきた。経済制裁は宣戦布告の一歩手前の外交処置。それによって周辺国との力学も大きく変動する。ましてや、日本への影響、日本が地理的状況などを考えたら、公の席で簡単に言える言葉ではないだろうに…。お笑いタレントにいたっては、「金正日は国民に飯もろくに食わせずして自分は、ハーレムのような生活をしている」と、週刊誌で仕入れた知識を賢明に披露している始末。
12_360   このような言葉が日夜、「公の電波」にのって日本中にばら撒かれる結果、世界でもっとも平和で無知な国民はそれがさも、まともな見解と思い込んでしまう。テレビ局はもっと、テレビの影響力を考えた上で出演者を選ばなければならない。でも、テレビ局やプロデュース自体、その辺のレベルがどのようなものかわかっていないから安易に、肩書きや名前で選任してしまう。シカゴ生まれの日本大好きタレント「デープ・スペクター」は、多くの番組に顔を出しては、『アメリカは日本と違って…』などと、それらしく吠えている。彼の言葉に思わず「?」となる場合がある。米国人だからアメリカに詳しいという先入観こそ、大間違いだ。この程度のタレントがコメンテーターとして「政治」を語り、「大言」を吐けるのだから、日本のメディアはなんと、敷居の低いところだろう、と思わずにいられない。有名人かそれとも、それなりの肩書きさえ付いていれば誰でも、評論家やコメンテーターになれる国、それが日本だ。米TV局ではこの手の番組に、評論家やコメンテーターなる人物は出演者させない。かりに出演させる場合でも、その人選はあらゆる角度から図られ、量られる。もし、出演させた人物が「トンチンカン」な言葉を吐いたらそれこそ、その程度の人物を出演させたテレビ局、プロデューサーの責任となる。少なくとも、プロを自認する欧米のメディア関係者たちは、「公の場」で取り上げる問題の背景、社会的影響がどのようなものかをしっかりと理解し、把握している。日本のように、お詫びのテロップを流せば済む話ではないのである。似非専門家、タレント評論家、無知な文化人が日本の将来を得意に語っているうちは、日本に「真の未来」はやってこないだろう。

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