本の紹介『さかのぼり武士の日本史』(跡部蛮著)
NHKの「ファミリーヒストリー」というドキュメンタリー番組は、著名人の家族の歴史を本人に代わって取材して、家族の成り立ちを探る人気番組。家族の歴史をたどると、本人もまったく知らなかった意外な事実が明らかになり、感動させられる回もある。
本書はファミリーヒストリーの戦国武将版、と言えるだろう。しかもその家系ルーツをたどるスケールが遥かに長い。例えば、「幕末の長州藩で俗論派の首魁という悪名を一心に受けた椋梨藤太の先祖をさかのぼると、頼朝の幕府創業を支えた功臣にたどりつきます」(まえがき)とあるように、千年という時間軸だ。
当然、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった天下統一を成し遂げた家系についても、それぞれの「家」に隠された秘密を探ることとなる。
それは家系をさかのぼって辿る、日本史の「外伝」とも言えるだろう。本紙で前回紹介した『こちら歴史探偵事務所』に続く、跡部蛮氏の最新刊だ(本体1650円、ビジネス社)。
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