本の紹介『60歳貯畜ゼロでも間に合う 老後資金のつくり方』(長尾義弘著。徳間書店)
「老後の資金」問題を扱った本は数多く書店に並んでいるが、そのどれもがせいぜい50代までの年齢層を対象にしたものだ。
ところが本書は、「60歳で貯蓄ゼロ」の人を想定し、60歳からどうやって老後資金を貯めていくのかを述べている稀な本だ。
いま日本の60歳の4人に1人が貯蓄率が100万円未満、3人に1人が300万円未満、というデータがある。当事者にとって切迫した現状であり、だからこそそうならないように多くの人が「老後の資金」集めに頭を悩ませているわけだ。
「60歳、貯蓄ゼロ」でも安心した老後を送るためには何が必要なのか? 株式投資などの資金運用が思い浮かぶが、本書は資金運用をしなくても老後資金を増やす方法を提示する。
公的年金、退職金、社会保障制度の、<徹底した活用方法>がそれだ。
サラリーマン、自営業者、単身者など5人のモデルが想定されているので、読者に近い立場のモデルが見つかるはずだ。
年金は信用できるのか、どの時点で受給すればよいか、どこまで仕事をし続ければよいか、など素人には判断が難しいが、本書では極めてわかりやすく説明している。まだ60歳に届いていない人にも参考になる。
なお本ブログでは、過去に著者の本を取り上げたことがある。『定年の教科書 お金 健康 生きがい』は本書に近いテーマで、老後をどうやって生きるかヒントになる良書だ。(本体1500円)
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