本の紹介『心と体を健康にする 腸内細菌と脳の真実』(生田哲著。育鵬社)
腸内細菌と脳は、実は深い関係にあると聞いても、ピンと来ない人が多いのではないか。
先進諸国で、ASD(自閉スペクトラム症)をはじめとする発達障害の子ども急増しているのは事実。ASDの子どもに最も頻繁に現れる症状は便秘で、ASDの子どもの9割に腸の障害があるという。
ここから始まって、脳と腸と腸内細菌の三つがどのように関わっているかを、最新の医学研究の成果をもとに論述したのが本書だ。
ASDのほかにも鬱、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、関節リウマチといった、腸とは一見、何の関係もなさそうな症状が実は腸の不調と関係しているという。
その腸の不調を本書ではリッキーガット(Leaky gut)と呼んでいる。これは腸壁に穴が開くことを指すが、長らく医学界の主流から“似非科学”と呼ばれてきたものの、最新の研究によって、これが腸内細菌がつくる毒素を通り抜けさせ、免疫系や肝臓に負担をかけることがわかってきた。そのことによって上記のような症状があらわれることになる。このメカニズムが本書の要になっている。
リッキーガットを起こさないためには、腸内環境を改善する必要がある。その具体策は本書をお読みいただきたい。(定価1760円)
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