<書評>「“意識高い系"がハマる『ニセ医学』が危ない!」 (桑満おさむ著)
著者の桑満おさむ氏は、東京都目黒区の「五本木クリニック」の院長。
当初は趣味で「面白ネタ」捜し程度の認識でネット検索していたところ、近年、とても面白がれない「ニセ医学」に基くトンデモ健康法が、関係商品を売る側だけでなく、それを見て信じた、それも“意識高い系”信者がSNSでわざわざ拡散しカルト化していることを知り、医者としての知識を駆使して警告記事をブログで発信。それが話題を呼び、まとめたのが本書だ。
具体的にはコラーゲンでお肌プルプル、合成添加物で障害児が生まれるに始まり、酵素食品、デトックスブーム、反ワクチン、反予防接種、ホメオパシー、波動、水素水などまで縦横無尽に喝破している。
各種信者の大半は女性、それも母親が多く、なかにはブログを見て桑満氏に抗議の電話などをして来る者も。そうしたことが煩わしいから、多くの医者はわかっていても無視しているが、実際に「ニセ医学」を信じた挙句に健康を害した患者が来院、また根っからの正義感の強さも相まって、今も自身の開設したブログで書き続けているという。
なかには、これも「ニセ医学」なの? というネタも登場。
一例を上げればグルコサミン、コンドロイチンも膝間接痛に効果はまったくない。よくなったというのはプラセボ効果(効くという思い込み)に過ぎない。しかし、実際に効くというイメージで有名メーカーも堂々とTVCMを打っている。
というわけで、我々素人は程度の差はあれ誰もが騙されているということだろう。
発行・育鵬社。1400円+税
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