『やさしい漢方の本 さわれば分かる腹診入門』(平地治美著)

去る8月、わかりやすいと好評だった『舌診入門』に続き本書『腹診入門』が発売された。
漢方の診断と言っても、腹診は中国伝来ではなく、江戸時代に独特の発展を遂げた日本独自の診断方法とのこと。第1章でそうした歴史が書かれてある。
続く第2章は、実際に読者が自分で腹診を試す手引きになっている。特別なものは不要だ。必要なのは、自分の手だけ。その方法は、イラスト入りで理解しやすい。腹診の目的は治療ではなく、自分のお腹を見て、触ることによって、日々の健康管理に活かすことだ。
第3章で、いよいよ腹診によって自分のお腹の具合を診断していく。症状に応じたツボの見付け方や、漢方薬の効能が解説されていて、ここが本書の中心部分。
中年男性だとお腹の出具合が気になるところだが、太鼓腹(パツパツ)なのか、カエル腹(ブヨブヨ)なのかによって、出やすい症状や養生方法が異なることが、本書を読むとよくわかる。
巻末には日々の健康管理に役に立つチェックシートが付いており、役に立つ。健康管理を手軽にやりたい方におすすめの一冊だ。
(日貿出版社、本体1500円)
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