本の紹介・写真絵本シリーズ「それでも『ふるさと』」
フォトジャーナリストで、映画監督でもある豊田直巳氏が、シリーズ「それでも『ふるさと』」と題して、3冊の写真絵本を発行する。
豊田氏はもともと中東など戦場を取材してきたフォトジャーナリスト。しかし原発事故である種の“戦場”となった福島にその直後からかけつけ、被災地やそこに住む人々を丹念に映像に収めてきた。
今回のシリーズは、『「牛が消えた村」で種をまく』、『「負けてられねぇ」と今日も畑に』、『「孫たちは帰らない」けれど』の3冊から成る。
「日本一、美しい村」と言われた飯舘村は、牛が消えた後も畑を耕し、タネを撒く酪農家の姿がある。
「負けてられねえ」と行者ニンニク栽培を再開する農民夫婦。
仮設住宅を“第二のふるさと”と住み続けて来た高齢者に、立ち退きの期限が迫る。
福島第一原発事故から早くも7年目を迎え、事故の記憶も次第に薄れてきた。まるで事故がなかったかのように各地で原発再稼動が進む今、私たち大人が事故がもたらしたものを記憶にとどめるために、そして次世代に記憶を受け継がせるために、この写真絵本はきっと役に立つだろう。
(農山漁村文化協会、各税込2160円。2月8日発売)
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