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2017年3月

2017年3月29日 (水)

本の紹介『栄養素のチカラ』(ウィリアム・ウォルシュ著。生田哲博士監訳)

Index  人のカラダにとって、日々どのような食べ物を摂取するかが重要なのは当たり前の話だが、最近ではカラダの一部である「脳」にも大きな影響を及ぼすことが知られるようになってきた。例えば“うつ病の原因は間違った食生活にある”といった本が出版されている。
 著者のウィリアム・ウォルシュ氏は、アメリカで栄養療法研究の第一人者として知られている。本書を推薦した宮澤賢史・医学博士によると、「囚人支援のボランティアで殺人犯の脳の分析を行ったのがきっかけになり、20年にわたり2800人のうつ病患者に、延べ3万件の生化学検査を行い、脳の状態を分類した」「また、それぞれのタイプ別に、薬と同様に効果的でしかも副作用が少ない栄養療法を体系化した」という。
 前半部分で、人間には生化学的個体差があり、脳の構造の解明が進んだこと、そして脳に対し栄養素が果たす役割がわかってきたことを述べる。
 その上で、うつ、統合失調症、アルツハイマー病といった精神疾患を生化学タイプ別に分類し、それぞれの生化学にあったタイプ別のオーダーメードの栄養療法を詳細に解説している。
 この精神医学がさらに進歩し、栄養療法が定着すれば、現在使われているような向精神薬は不要になる、といった展望も示されている。そうなれば、精神疾患に悩まされている方への大きな朗報になるだろう。
 ただし、本書冒頭に「この本の情報をもとに自己判断で治療を試みてはならない」と明記されていることをひと言、付け加えておく。
(ら・べるびぃ予防医学研究所発行。本体2778円)

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2017年3月27日 (月)

お知らせ『栄養素のチカラ』(生田哲博士監訳)の出版記念講演

_omote 本紙書評で度々取り上げている、薬学博士・生田哲氏が監訳した本『栄養素のチカラ』が出版されたことを記念して、4月13日、東京都内で講演会が開かれる(詳細は下記参照)。
 著者ウィリアム・ウォルシュ博士は、アイオワ州立大学で化学工学の博士号を取得後、30年以上に渡り個体差を考慮した分子栄養療法の研究を続けてきた科学者。過去数十年に渡り、行動障害、ADHD、自閉症、うつ、不安、双極性障害、統合失調症、アルツハイマー病などの患者のための栄養による治療法を開発してきたパイオニアだ。
「精神医療に携わるドクターをはじめ、脳の機能障害に苦しむ方々、そのご家族をはじめ脳と遺伝学、分子栄養学に興味を持つ皆さまにとって必ずお役に立つ一冊」(出版元のら・べるびぃ予防医学研究所)とのことで、分子栄養学の最先端を知るには絶好の機会と言えるだろう。
 なお参加費は3000円だが、参加すれば『栄養素のチカラ』(税込3000円)が1冊贈呈されるとのこと。

日時:2017年4月13日(木) 13:30 ~ 16:00(13:00開場)

講演者:生田哲・薬学博士 他

場所:中央区立堀留町区民館 1号室 2号室
   東京都中央区日本橋堀留町1-1-1-3F

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