書評『よくわかる! 脳にいい食、悪い食』(生田哲著。PHP研究所)
「カラダによい食べ物」といった題材の本や雑誌の特集、それにネット情報は巷に氾濫しているが、今回紹介する生田哲氏の本は、ずばり「脳」にとってどんな食べ物が良く、どんな食べ物が悪いのかを解説したもの。
「脳が快適に働くには、神経細胞同士のやりとりが円滑」でなければならず、そのためには「脳のエネルギーとなる糖類、神経細胞をつくる原料であるタンパク質や脂肪、伝達物質をつくる原料となるアミノ酸が必要」になる。
こうした栄養素を上手に取ることによって、記憶力や集中力が持続し、脳の「本来の力」が発揮される、ということだ。
第2章では、「脳を快適に働かせる栄養素」の詳細と、なぜそれらが脳を快適にするのかというメカニズムが説明される。具体的には、
・サンマやサバに多く含まれるDHAが頭の回転を速くする、
・野菜、豆類などのスローリリースの糖類で集中力アップ、
・鶏卵、ダイズ食品などのフォスファチジルコリンで記憶力改善、などなど。
第3章では、逆に「脳に悪い食べ物」が紹介される。例えばタバコは有害だが、脳にとっても悪影響で、なんとIQを下げてしまう。その理由も説かれているので、喫煙者は読んでおいた方がよい。
漫画、イラスト入りで、読みやすいが、生田氏の既刊書と同様、最新の科学的知見に基づいている。受験生のお子さんを持つ家庭なら必読書だろう。
(本体740円+税)
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