書評『缶詰で~男のもっとええ加減料理』(石蔵文信著。講談社)
料理初心者である中高年男性に向けた本『男のええ加減料理』続編。しかし独身者が増えた昨今、「おいしいものを、家で手軽に食べたい」そんな“おひとりさま”全員におススメなのが本書だ。
缶詰ブームである。非常食として常備しておくと安心だが、ブームの理由はもちろんそれだけではない。「味付けがされているから、調味料が不要」「いつでも好きなときに食べられる」「魚介の缶詰は骨ごと食べられるから、栄養面で優れている」「種類が豊富になった」などの理由があるだろう。
缶詰レシピの本も増えているなか、本書の特徴は「簡単に、おいしく」。そのため、基本的には土鍋を使用している。土鍋の利点は、「遠赤外線効果で素材の味を引き出す」「保温性が高い」「面倒な洗い物が減る」。ついでに、食卓に上げても土鍋なら抵抗感がない。
さて、調理時間は最短で5分だ。それは「ねぎ焼き鳥丼」。焼鳥缶と長ねぎ一本あればできてしまう。これなら、調理が面倒で外食に頼っていた人も続けられるはずだ。
一番調理時間が長いレシピは「ひつまぶし」(50分)。土鍋でご飯を炊くから、これだけはどうしても時間がかかる。これ以外はほとんどが10分~20分で調理終わり。
中高年向けの料理教室で人気の著者だが、本業は内科・循環器科の専門医。定年後の男性に多い、「うつ症状」の治療の一環として始めたのが料理教室とのこと。
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