書評『いくつになっても夫婦の性生活がうまくいく秘訣』(石蔵文信著、すばる舎)
夫婦間の性生活はいつの時代も悩みのタネ。性がオープンになってきた現代だが、それでもこと夫婦間の性はプライバシーの深層に係るため、誰にも相談できず苦しむ方は多いだろう。
大阪樟蔭女子大学教授で、循環器専門医の著者は、「男性更年期外来」をみずから開設するなど、中高年の性に関する第一人者。外来に訪れる“患者”とのやりとりの中から本書は生まれた。
そもそも性生活はそんなに大事なことなのか。「性機能の低下は、全身の機能低下につながり、当然、気力も衰えていく」と著者は言う。
それなのに、「パートナーとのセックスがうまくいかない」「その気になれない」と悩みは尽きない。では、どうしたらよいのか・・・。著者のアドバイスは具体的だ。
カラダに異常がないのなら、妻とのコミュニケーション不足が原因かもしれない。あるいは、男性更年期や「うつ」の可能性も。その対処法が詳しく書かれてある。
もしED(勃起不全)ならば、いまや様々な治療法・治療薬がある。ED治療薬は「心臓に悪い」と指摘されることがあるが、安全な治療薬の見極め方を指摘しているのは専門医である著者ならでは。
「妊活」に悩んでいる方、セックスレスに悩んでいる方、定年退職後の関係に悩んでいる方に、ぜひおススメしたい本である。(1400円+税)
| 固定リンク
« 書評『「先生が患者ならどうします?」医師が自分のために選ぶクスリ・治療法』(岡田正彦著・ダイヤモンド社) | トップページ | 書評『ビックリするほど遺伝子工学がわかる本』(生田哲著。サイエンス・アイ新書) »
「書評」カテゴリの記事
- <書評>『新型コロナウィルス・NEWSウォッチーーコロコロ日記』(ヒグマルコ著。リーダーズノート出版)(2020.05.13)
- <書評>『日本人に合ったがん医療を求めて』(水上治著。ケイオス出版)(2020.03.22)
- <書評>『日本長寿食辞典』(悠書館)、『徳川ごはん』(mores出版)。どちらも著者は永山久夫氏 (2020.01.05)
- <書評>『江戸東京透視図絵』(文・跡部蛮。絵・瀬知エリカ。五月書房新社)(2019.11.17)
- 書評『他人の頭を借りる超仕事術』(臼井由妃著。青春出版社)(2018.12.12)
コメント