書評『「先生が患者ならどうします?」医師が自分のために選ぶクスリ・治療法』(岡田正彦著・ダイヤモンド社)
新潟大学名誉教授・医学博士で、医療統計の第一人者である著者・岡田正彦氏が、「医者はウソをつくけど、数字はウソをつかない」をモットーに、医者の本音と建前に切り込んだのが本書。
最近よく指摘されることだが、製薬企業が莫大な金額を病院や医師に寄付し、その見返りに医師が薬を処方する。こうした癒着の結果、治療に必要のない薬が患者に投与されることもある。そのカラクリが本書の冒頭。
では患者はどうやって身を守ればよいのか。「病院ランキング」や「大病院の偉い先生」を頼ればいいのだろうか? それに対する答えが本書に書かれている(第1章 医者には自分の命を安心して任せられる治療法がある)。
著者が、家族が病気になっても絶対飲ませないクスリとは、何なのか(第2章)。家族に定期健診・人間ドックを受けさせないのは、なぜか(第3章)。医師の立場でここまで“暴露”してよいのかと読む側が心配にもなるが、こうした点に疑問をもたれた方は、一読を薦める。
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