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2015年3月23日 (月)

書評『がん治療の最前線 もしあなたや大切な家族ががんと診断されたらどうすべきか』(生田哲著。サイエンス・アイ新書)

Photo 薬学博士・生田哲氏の最新刊は、ずばり「がん治療の最前線」だ。
 がんになったとき多用される標準的な治療法は、「手術、放射線、抗がん剤」の3つとされる。しかしこれら西洋医学の治療は対症療法に過ぎないし、これ以外にもがんと闘う方法はある、と生田氏は力説する。
 そもそもがんの発症は、何が原因なのか? 生田氏は「遺伝子の問題ではない」と言い切る。「中国では、乳がんを発症する女性がとても少ないのです。でも、サンフランシスコのチャイナタウンやハワイに移住した中国人や日本人のがんの発症率は、欧米人と変わりありません。中国の女性はがんに抵抗する遺伝子を持っているのではありません。違いは食べ物にあります」「膨大な疫学データの分析から明らかになったことは、がんの主な原因は食事であるということです」。その医学的な説明が第1章「がんは死の宣告ではない」第2章「がんとはどんな病気なのか?」でなされる。
 がんにならないためには、どのような食事をすべきなのか。第3章「がんの薬になる食べ物」は本書の中心部分で、食材が具体的に紹介される。基本的考え方は「加工していない、未精製の食べ物」(ホールフード)であり、がんを防ぐ野菜や果物の名前とその理由も詳しく述べられており、食材選びの指針になる。
 不幸にもがんにかかってしまった場合にも、がん患者の代謝を改善するサプリメントがいくつか紹介されている(第4章)。
 生田氏は「人体には、がん細胞を発見し、その増殖を抑える、免疫や自然治癒力などの自然のしくみがいくつも備わっている」と述べている。自然治癒力について述べた生田氏の前著『マンガでわかる自然治癒力のしくみ』を併せて読めば、病気を寄せ付けない身体をつくることができるのではないか。

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