書評『誤解だらけの〝イヌの気持ち〟-「イヌのこころ」を科学する (zaiten Books』(藤田和生著。財界展望新社)
今、日本国内でペットとして飼われている犬は、1000万頭を超えるという。しかし私たちは、どれだけ「イヌの気持ち」を理解しているだろうか。愛犬家の方でも、どうしたらもっと良好な関係をつくれるか、悩んでいる人も多いのではないか。
そういう人に打ってつけなのが本書である。著者・藤田和生氏は京都大学心理学研究室の教授。動物の認知、知性、感情の働きを実験や観察を通じて分析している方であり、いわば「動物の心」研究の第一人者。NHK「おしえて!ガッカイ」という番組で「ペットの本音を知りたい」との視聴者の質問に答えたことがある。
主要な内容は、研究成果に基づいた「イヌの心」分析だが、具体的に犬と良好な関係を築くためのエクササイズを巻末で紹介している。
いわゆるペット関連本のような、犬を人間の都合の良いように「しつけ」するという考え方とはまったく異なる。「イヌとしっかりアイコンタクトをする」だけでずいぶんちがうそうだ。愛犬家も目からウロコであろう。
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