« 2014年5月 | トップページ | 2014年7月 »

2014年6月

2014年6月26日 (木)

書評「古地図で謎解き 江戸東京『まち』の歴史 」 (跡部蛮著。双葉新書。840円+税)

Img073 本紙で紹介するのも4回目となるが、歴史研究家の跡部蛮氏の新刊が双葉新書から発売された。
 江戸時代から明治維新を経て急激に変貌した東京。その44に及ぶ町の郷土史を、古地図を手がかりとして辿っていく。
 「かつて競走馬がかけめぐっていた上野不忍池」「寅さんの町に走っていた不思議な人車鉄道」「光が丘・マンモス団地は首都防衛の拠点だった」といった、知られざるエピソードが盛りだくさんだ。
 上野公園では、かの西南戦争が勃発している最中に、国が主催する博覧会が開かれていた。上野公園は代々、博覧会の会場となり、大正時代に入ると上野の山と不忍池を繋ぐ日本初のエスカレーターやロープウェイが登場する。本書には当時の写真が収録されている。
 「小伝馬町・富久町」の刑場の歴史も興味深い。江戸時代、小伝馬町にあった牢屋敷。“安政の大獄”として知られる吉田松陰ら勤皇志士の処刑はここで行なわれた。その跡地は、処刑者のうらみを気味悪がって貰い手がつかず、今は公共施設が置かれている。牢屋敷は明治に入り、新宿区に移転し「市ヶ谷監獄」に。そのすぐ隣に「東京監獄」ができると、昭和12年に豊島区巣鴨に移転するまで、ここで死刑が執行された。“大逆事件”で幸徳秋水ら12名が処刑されたのが有名で、刑場だった所はいま富久町児童遊園となり、その一角に刑死者慰霊塔が建っているという。
 本書は都心のほぼ全てを網羅している。跡部氏は江戸時代の古地図を使って町歩きをする「江戸ぶら会」会長。町歩き前に本書を読んでおけば、いっそう楽しめること請け合いだ。

|

2014年6月20日 (金)

<お知らせ>6月27日「大学の貧困問題を考えるシンポジウム」

 「大学の貧困」と聞いてもピンと来ない方もおられるかもしれない。しかし、高い学費を払うためにアルバイトばかりしている学生や、中退を余儀なくされる学生が近年、増えている。奨学金で無事卒業しても、非正規の不安定な収入で奨学金が返済できず苦しむ人も多い。平均収入300万円以下の「ワーキングプア」な非常勤講師も格段に増えた。
 こうした大学にまつわる貧困問題にメスを入れるシンポジウムが、下記の要領で開かれる。講師は反貧困ネット代表で前都知事選立候補者の宇都宮健児氏をはじめ、本紙・山岡のフリージャーナリスト仲間である、林克明氏(『ブラック大学早稲田』著者)ら4人。

日時:2014年6月27日(金)17:00~
場所:早稲田大学・早稲田キャンパス 10号館 1F109大教室

詳細はこちらをご覧頂きたい。
首都圏大学非常勤講師組合・早稲田ユニオン分会

|

« 2014年5月 | トップページ | 2014年7月 »