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2014年4月10日 (木)

書評『日本人だけが信じる 間違いだらけの健康常識』(生田哲著。角川ONEテーマ21)

Photo「糖質制限で健康にやせる」「骨粗鬆症には牛乳が良い」・・・世間にはこうした“健康常識”がまことしやかに唱えられているが、それら一つ一つを論破し、かえって“健康を害する”ことを証明してみせたのが本書である。
 糖質制限を続ける人は、糖質を制限しなかった人に比べて死亡率が高いという衝撃的なデータがある。2010年、ハーバード大学のある博士が、約13万人を20~26年という長期間にわたって追跡調査した。その結果、糖質制限食によって男性は30%、女性は20%も死にやすくなっていた。
 著者は言う。「糖質の摂取を著しく減らす糖質制限食は、三大栄養素を二大栄養素にしようとする極端なダイエット法です。カロリーの取り方に偏りがあるばかりか、ビタミン、ミネラル、ファイバーが著しく不足しています。つまり、糖質制限食は『偏食ダイエット』なのです。偏食ダイエットを続ければ、健康を損ねるのは当然の結果といえるでしょう」。
 糖質制限を実践している人は多くないかもしれないが、「牛乳は健康によい」と思って毎日飲んでいる人は多いだろう。だが著者によれば「牛乳は健康によい」というのは「戦後の学校給食が作り出した健康神話」に他ならない。牛乳を飲んで下痢になった経験はないだろうか。実はそれは「乳糖不耐症」で、乳糖の分解能力を超えて摂取した結果、生じるもの。牛乳はアレルギーを引き起こし、さらには乳がんや前立腺がんを引き起こす可能性を高めるというから、驚く。
 他にも「高血圧の人は降圧薬を飲むべき」「コレステロール値低下薬を飲むべき」「うつになったら抗うつ薬」といった言説を、実証的なデータに基づいて、丁寧に批判している。
 これまで本紙・書評で生田氏の著書をたびたび取り上げてきたのでご存知の方も多いだろうが、生田氏は薬学博士で、アメリカで研究生活を続けてきた方。生化学、医学、薬学のエキスパートでもあるから、説得力がある。インチキな“健康法”で健康を害さないために、一読をお薦めする。

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