書評『脳と心を支配する物質 心を元気にもし病気にもする物質の正体と、それをコントロールするための知恵とは!?』 (ソフトバンククリエイティブ、1000円)
脳と心の動きがどうなっているのか、それを化学的に理解している人はさほど多くないのではないか。なにしろ科学的根拠がまったくない血液型性格分類がいまも流布しているありさまである。
しかし、脳と心の動きが理解することで、精神的な病の予防や、平穏な日常生活をおくるために役に立つことがたくさんある。
本書は新書でありながらこの点をわかりやすく、かつ広範囲に説明している。
第1章で脳と心を生むしくみと様々な伝達物質を述べ、第2章で様々な物質のアンバランスが生む脳と心の状態(うつ病、強迫神経症、統合失調症など)を説明。第3章は「心を変える身近な物質」。おなじみのカフェインから、アスピリン、風邪薬に含まれる物質などの性質がわかる。最後の第4章は「食べ物でも心は変わる」。脳を活性化する糖類、若者をキレさせる亜鉛不足、痛みを和らげるカプサイシン、など知っていれば役に立つ情報が満載だ。
こう書くと実用書のようだが、前半で丁寧に脳と心のしくみが化学的に説明されているので、表面的な知識以上のものが得られる。
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