<書評>小池信三著『「人生100年時代」を楽しく生きる 起業思考』(徳間書店)
建売会社の有限会社三栄コーポレーション(現・株式会社三栄建築設計)の創業者で、2012年に東京証券取引所1部上場を果たし、約1500億円の売上を誇る一流企業に成長させた小池信三氏の著書。
書名の「起業思考」とは何か。それは現実に妥協せず、理想を追求し続ける考え方ということになろう。
AIの台頭や少子高齢化で、これまで通り、企業に従順な会社員として働くだけでは将来が見通せない時代になった。だが「起業して成功するのは一割、東証プライム上場となると10万人に一人」と本書まえがきにも記されているように、起業もまた茨の道といえる。
そんななか、著者が建売住宅業界において、どうやって起業して成功を収めるに至ったか。本書はその経験を、惜しげもなく開陳している。
一例をあげると、著者が創業するまで、建売業界の常識は、まず「一般のサラリーマンには手が届かないほど高額」であり、メーカーごとに得意な工法があるため、間取りやデザイン性の自由度が低いなど、「ハウスメーカーの都合が優先」されるというものだった。ここを突破すべき壁として著者は着目し、顧客優先の発想に転換して、「土地の仕入れから設計、施工、販売、アフターケアの全工程を自社でおこなう」会社を立ち上げることになる。そして「デザイナーズ住宅」というジャンルを切り拓いた。このような着眼点と実行力こそが、これからの社会に必要な起業思考なのだろう。
なお著者は2023年、「暴力団幹部への利益供与疑惑」を受けて三栄建築を去ることになるが、その経緯について触れられていないのは残念。
(本体1800円。2025年11月30日発行)




間違った健康知識だった。





最近のコメント